中ロ・イランの米大統領選介入、開票後に暴力助長も=米情報当局者
Jonathan Landay Patricia Zengerle [ワシントン 22日 ロイター] - 米情報当局者は22日、ロシア、中国、イランが11月5日の米大統領選を前に、米国の分断を招く情報の拡散に力を入れており、選挙後には抗議デモや暴力をあおることも考慮するかもしれないと指摘した。 国家情報長官室(ODNI)の当局者は「外国勢力、とりわけロシア、イラン、中国は、米国民を分断させ、米民主主義体制に対する国民の信頼を損なわせるために、対立を招く情報拡散に力を入れている」と語り、サイバー活動といった従来の手段に加え、物理的な脅迫や暴力も考慮する可能性があるとした。 外国勢は交流サイト(SNS)などに特定の候補を中傷したり支持する投稿をして、米大統領・議会選挙に介入しているという。投稿の一部を人工知能(AI)で生成している可能性が高いとした。 ただ、選挙介入で同3カ国の連携は見受けられないとした。外国勢は投開票日に選挙手続きを混乱させようと狙うかもしれないが、投票システムのセキュリティーは万全のため、結果は変えられないとした。 また、一部の外国勢は抗議デモを促し、暴力に訴える可能性があるとした。イランやロシアはおそらく、選挙後の暴力を助長する手段を少なくとも考慮する用意があるとした。 ロシアは共和党候補トランプ前大統領の当選がより望ましいと考えており、民主党候補ハリス副大統領が勝利した場合、抗議デモを助長させる動きを強めるだろうと予想した。 米国家情報会議(NIC)が同日公表した文書は、外国の工作員が選挙後ほぼ確実に、選挙不正に関する虚偽の主張を拡散させると警鐘を鳴らした。 選挙が接戦で勝敗がすぐには判明しないケースなどに、外国の工作員がニュースサイトや政府の公式サイトにサイバー攻撃などを仕掛け、アクセスを遮断したり内容を改ざんして選挙結果について混乱を生じさせ、開票作業に関する偽情報を広める可能性があるとした。 在米中国大使館の報道官は、中国は米選挙に介入するつもりはなく、当選者が「健全で安定した米中関係の発展に尽力する」ことを望んでいるとコメントした。