揚げ焼きで発火、煮豆で鍋ぶたが吹っ飛ぶ!?流行りの「時短調理」に潜む危険をチェック
近年、時間効率を重視するタイムパフォーマンス志向の高まりを受け、手軽な調理器具を使って手間をかけない「時短調理」が人気です。でも取扱説明書や商品パッケージに記載されている注意事項(以下「注意事項」)をよく確認せず、誤った使い方をして事故が起きてしまうケースがあるのはご存知でしょうか。 そこで今回は、製品事故の原因究明を行っている独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査結果をもとに、事例や事故防止策をご紹介します。
事故原因で最も多いのは、誤使用・不注意!
2019 年から2023 年にNITEに通知のあった製品事故情報(※1)では、調理家電の事故は合計 494 件ありました。そのうち事故原因が判明した 226 件の中では、使用者の誤使用・不注意が関係しているものが 44%(99 件)を占め、最も多くなっています。 (※1)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非 重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含みます。
また、調理家電の事故における「製品ごとの事故発生件数」を見ると、例年「電子レンジ」「IHこんろ」の事故が多く発生していました。
電子レンジ、注意事項を守らず破裂・破損!
事故が多い「電子レンジ」には、加熱が禁止されている容器や食品があることはご存知でしょうか。それを守らず加熱することで、容器が爆発したり食品が破裂したりする事故が起きています。また、破裂等による影響で電子レンジが破損してしまうこともあります。 簡単にパパッとおいしいものを作ろうとして、禁止されている容器や食品を加熱してしまうのは破裂や発火の原因となり、危ないのでやめましょう。
「IHは大丈夫」は誤解。誤使用・不注意で発火も!
IHこんろは火を使わずに調理できる上に安全機能が充実しているため、火災の心配がないと油断していませんか。ところが加熱によって油の発火温度に達すると、フライパンや鍋の中の油が発火して火災を引き起こすことがあります。油が少ないと温度が急激に上昇するため、安全機能が働く前に発火点に達してしまうこともあり、実際に少量の油を入れて加熱調理していた際にその場を離れていたら出火したという事故が起きています。