ネーミング大賞でビールの「晴れ風」が最優秀賞を受賞。審査委員長の太田光「晴れやかなネーミングが多いということは世相は暗いのかもしれない」
日本ネーミング協会が主催する「日本ネーミング大賞2024」の授賞式が12月2日、都内で開催された。各部門の優秀賞から選出される「日本ネーミング大賞(最優秀賞)」にはルーキー部門の「晴れ風」が選出された。この「晴れ風」は今年4月に発売された缶ビールの名前。 「日本ネーミング大賞」の審査対象は「2023年10月1日から2024年9月30日までの間に日本国内で販売、または提供されている商品名、サービス名、社名等で、そのネーミングが商標登録をされていること」というもの。爆笑問題の太田光が審査委員長を、その妻で所属事務所の社長を務める太田光代氏が特別顧問を務め、今年で5回目となる。 食品や飲料、化粧品や雑貨、家電やゲームといった近接したジャンルごとに分けた5つの部門、ルーキー部門、地域ソウルブランド部門、審査委員特別賞、レジェンド賞といった部門でそれぞれ優秀賞を選出している。
「晴れ風」については光代氏が「晴れ風は造語。“晴れた日の風”という言葉なんですが、爽やかさとか明るさを表現している。晴れ風の下で、休日の昼間に軽く一杯というものを罪悪感なく飲めるという気持ちになる。最近、お酒に関して若干ネガティブな方向に来ている中で、このネーミングにはストレスが解消されるとかそういうことで健康にいいということも思い出していただいて、ということも含まれているような気もする。世の中が非常に暗いニュースばかりなので、せめて一人でゆったりする時に、ビールを飲める人は休みの時にゆっくりと晴れた空の下で晴れ風を飲んでいるという、分かりやすいんですが、とても貴重な時間を連想させてくれるネーミングであるということで審査員の間では非常に高い評価になりました」などとお酒好きならではの視点で受賞理由を説明した。
太田は授賞式後の囲み取材で「晴れ風」の受賞理由について「審査員の中でもみんな“いい言葉だよね”ってなった。“晴れ渡る風”というか、やっぱり世相がちょっと暗いから、そういうものを望んでいるのが見えて満場一致だった」などと語った。 また授賞式での総括では「今の日本の商品の名前は今、日本人が思っている願いといったものが反映されるなと毎年思っている」などと語り、囲み取材でも「晴れやかなネーミングが多いということは世相は暗いのかもしれない。思えば最初の“鼻セレブ”はコロナが始まった年。そういう意味で言うと世の中とリンクするものがある。来年、明るくなっていたら、逆にそれを打ち出さない名前が来るのかなという気がする」などと昨今のネーミングの傾向を分析した。