１回裏、力投するロッテ・佐々木朗希＝エスコンフィールド北海道で

◇１２日　「２０２４　パーソル　クライマックスシリーズ　パ」ファーストステージ第１戦　日本ハム０―２ロッテ（エスコンフィールド北海道） 　ロッテの佐々木朗希投手が、これぞエースという快投でＣＳファイナルステージ進出に王手をかけた。レギュラーシーズン６勝１８敗１分けとロッテが大きく負け越した日本ハムを相手に８イニングを５安打、９奪三振の無失点。今季防御率６・４３と最も苦手にしていた北海道の敵地でチームを勝利に導いた。 　「（エスコンフィールドは）良いイメージがなかったけど、その分いろいろ失敗してきたので。それが今回いい形で生かせたかなと思います」 　立ち上がりは不安を感じさせる内容だった。１回に先頭の浅間を四球で出し、二盗を刺してもらった直後の清宮にも連続四球を与えた。３番のレイエスをスライダーで空振り三振に仕留めてピンチを脱すると、２回以降は今季最終盤から習得したという、スライダーでカウントを稼いでいく新スタイルにスイッチ。変化球で追い込み、勝負どころは最速１５８キロの直球で三振を奪った。 　「打者の反応を見ながら（佐藤）都志也さんがいいリードをしてくれた」と本人は謙遜するが、小野投手コーチは「試合の中でいろいろ感じながら修正していける。その辺の切り替えはどんどん早くなってきている。先発投手は修正できる球種、ポイントを必ず持っているが、そういうところをしっかり頭に入れながら投げられるようになってきた」と評価。１６０キロ台の球速が出ず、制球がままならない中でも抑える術を覚えた成長ぶりに目を細める。 　これでＣＳに初登板した２１年から、ポストシーズンは３試合に登板して１７イニング連続自責点ゼロ。佐々木が投げた３試合はチームも全勝だ。この日はヤンキース、パドレス、メッツなど大リーグ１０球団の関係者が視察した。「まだ先がある。大事な試合が続いてくると思うので、そこでも良いピッチングができたらなと思います」と佐々木。短期決戦での勝負強さを改めて国内外にアピールする投球となった。