後味悪い年の瀬……政治資金問題まだまだ続く?
「国民の信頼回復のために『火の玉』となって自民党の先頭に立ち取り組む」 会見では時に遠くを見るような目で顔を上げ、口を固く結ぶ表情を見せました。ただ、首相は派閥という二文字は使わず「政策集団」で貫きました。 ちなみに、この間の松野氏は首相が政治資金問題に言及したとき、まばたきが若干多くなりましたが、その後は表情をほとんど変えず。両手を膝に置いては、時折手を組む、その繰り返しでした。その無表情さはある意味、手の内を知られない政治家の「資質」かも知れません。 この半月あまり……気になったのは、問題に対する議員の当事者意識です。 12月4日、自民党役員会後の茂木幹事長の記者会見で、今回の問題は議員自身が当事者意識をもって向き合うべきか、事務方の問題に過ぎないのかを尋ねました。回答は次のようなものでした。 「決して事務方の問題とは思っていない。政策グループだけではなく、党に対しても厳しい目が向けられている」 一方、実際はどうでしょうか。内閣不信任決議案を審議する衆議院本会議を記者席からみて、強い違和感がありました。自民党議員の反対討論で、野党からは「15分もしゃべれるのか!?」「裏金説明しろよ」「責任はどうするんだ」というヤジが飛ぶなか、討論後、与党から割れんばかりの拍手が起こったのです。 通常であれば、与党議員の発言に身内から拍手が起きるのは不思議なことではありませんが、いまは盛り上がっている場合なのだろうか……議員1人1人に、この問題に対する当事者意識があるのか疑問に思わざるを得ませんでした。 今回の裏金問題、当該議員の立場で考えてみれば、「キックバックがあるのは、パーティ券を売る“営業力の高さ”の表れで、むしろ評価されるべきこと。それがなぜ?」。松野氏の立場になって考えれば、「慣例に沿って忠実にやってきただけなのに、何でいまになって、官房長官の私が矢面に立たねばならないのか」……これが本音なのかも知れません。だとしたら、救いようがありませんが……。