「家事の合間もウイスキー1日1本をやめられず」漫画家・まんきつ「多忙と誹謗中傷から逃げたくてハマった酒の誘惑」
漫画家として第一線で活躍中のまんきつさん。自身の経験をもとにしたエッセイ漫画では、ネガティブ思考になってしまったときの言動が「あるある!」と共感を呼び、人気です。単行本デビュー作となった『アル中ワンダーランド』では、自身がアルコール依存症を克服する様子を描いて話題に。ただ、渦中にいた当時の苦悩は相当なものだったといいます。(全3回中の1回) 【漫画】酒の力を借りて仕事と家事を両立した気になっていた暗黒時代のエピソード ほか(画像13枚)
■ブログと仕事、さらに家事との両立に追われ… ── 漫画家を目指しているときに始めたブログが大ヒットし、多忙からお酒を飲むようになったそうですね。それまでもお酒はよく飲むほうだったのですか?
まんきつさん:もともとつき合いで飲むくらいだったんですが、妊娠出産を機に完全にお酒は飲まなくなりました。子どもが原因不明のアレルギー持ちでずっと母乳育児で。4歳でやっと卒乳して、それをきっかけにまた飲むようになりました。 ── ちょうどブログ書籍化の話があり、忙しくなったタイミングだったんですよね? まんきつさん:そうなんです。ブログと仕事、そして家事…と、いろいろなことを並行してできなくなって、家の中がもうひどい状態になっちゃって。ところがお酒を飲むと、どういうわけか家事がはかどったんですよね。
── はかどったのは仕事ではなく、家事のほうだったんですか? まんきつさん:私、とにかく洗い物が嫌いで…。そして、とにかく家のことと仕事の両立が苦手だったんです。仕事なら仕事をひたすらやる、ブログならブログをひたすら書く、みたいな感じで、「どっちか」になっちゃうんですよね。ちょっと休憩して少し家事をしておこう、みたいなことができなくて。どちらかが、おざなりになっちゃう。それがお酒を飲んだら、どういうわけかちょっとした合間に家事を済ますことができちゃって。
逆に、仕事のアイデアが浮かんだことは、正直あまりなかったかな…。それに、そこまで酔った状態だと、絵も描けなくなって。線がふにゃふにゃになるので、ペン入れのときは、なるべくお酒を飲まないようにしていました。 ブログが忙しくなるにつれて、お酒を飲む量がだんだん増えていきました。さらに度数が高くて早く酔えるお酒を昼間から飲むようになり…。ウィスキーを1日1本飲む、といったことをしばらく続けちゃっていたんです。多忙を乗りきるためにアルコールに頼り、常に酩酊状態でいるのが習慣になりました。一時期は水代わりに飲酒をするようになっていました。そのうち一気に症状が悪化し、幻聴が聞こえたりして…。そもそもお酒のアルコール度数を上げたことがよくなかったですね(苦笑)。