新曲初披露! MYTH & ROID『Autumn Tour “take my hand”』開幕、フロアを熱狂の渦に巻き込んだ東京初日をライブレポート
10月スタートのTVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活3rd season』で、1st season以来のテーマ曲を担当するMYTH & ROID(ミスアンドロイド)。『Autumn Tour “take my hand”』が渋谷Star loungeでスタートした。東京でのツアー初日は初めてで、ソールドアウト。新曲も初披露されて沸きに沸くステージとなった。 【全ての写真】MYTH & ROID『Autumn Tour “take my hand”』東京初日公演(全10枚) 開演前、「もう一歩前へお詰めください」とのアナウンスが繰り返される。オールスタンディングのフロアはギッシリ超満員。ギターを携えたTom-H@ck、続いてボーカルのKIHOWが軽く手を上げてステージに現れると、冒頭からシャウトする「L.L.L.」で幕を開けた。 前傾姿勢でアクセル全開のKIHOWに、体を振りながらプレイするTom-H@ck。至近距離の観客も「オイ! オイ!」と拳を突き上げて、瞬時に会場いっぱいに熱気がほとばしった。ハイトーンの英語フレーズをノーブレスでたたみ込んでフィニッシュすると、間髪入れずに「Future is Mine」へ。背筋を伸ばしたKIHOWはミックスボイスを駆使しながらメリハリをつけて、パンチの効いたボーカルを聞かせる。間奏ではTom-H@ckが華麗な速弾きを披露。我が道を進む強い意志が描かれたアッパーチューンに、感情の波動が見えるようだった。 きらびやかな電子音に乗せた英語の台詞から繋げられた「ACHE in PULSE」は、重低音の響きにゾクゾク。サビ前にKIHOWが「跳んでー!」と叫び、自らも跳ねながら歌うと、観客も拳を振ってジャンプ。「エオ、エオ、エオ、エ」の大合唱も盛り上がって、KIHOWは両手を上げてガンガン迫り、最後は大きな拍手が起きた。 「私たちについてきてください!」とひと言入れて、定番曲に連作のコンセプトミニアルバム『AZUL』、『VERDE』からの楽曲も織り交ぜていく。ストーリーの中に組み込まれていたナンバーが、また別の色合いを帯びていた。 MCでは「take my hand(私の手を取って)」というツアータイトルに込められた思いが、KIHOWから語られた。「前回のツアーで“私のことを信じてほしい”という気持ちを、Myrror(ファン)のみんなに対して強く抱くようになって。デビューしたときから、そういった思いは持っていましたけど、今思うと祈りに近いもの。今の気持ちは“本当に私に委ねてよ。身を任せたらいいところに行ける”。そんな気概を証明するためにつけたタイトルです」 そして、体調不良で2カ月ほど療養していたTom-H@ckに「復帰おめでとうございます」と振る。「8キロくらい痩せました」と言いながら、「ツアーはたくさん楽しんでほしいと思って、気合いを入れて来ました」と、すっかり本調子のようだった。 押せ押せでアゲていた中で、「私たちの唯一の良心(笑)。いったん落ち着いていただけたら」とソフトなタッチの曲のブロックに。さらに「次は懐かしい曲を2曲続けてお届けします。どちらもライブで初披露です」と引きつける。 浮遊感のあるイントロからの「雪を聴く夜」は、2017年発売の1stアルバム『eYe’s』の収録曲。ノスタルジーと神秘感が交錯するミディアムバラードを、KIHOWは1点を見つめるようにして朗々と歌い上げた。続けてアカペラから歌い出した「the first ending」は、2015年発売の1stシングル「L.L.L.」のカップリング。スローナンバーに切ない情感がこもって、観客たちが聴き入っていた。 そして、ステージは後半へ。「今回のツアーに来てくださった皆さんは、次のブロックでやる曲を特に楽しみにしてくださっているかと思います」と、2016年に放送されたアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』のタイアップ曲を3連発。 「Paradisus-Paradoxum」は激しいドラミングに乗ったKIHOWが、スタンドマイクに片手を乗せたり、拳を突き上げたり、両手を下ろしたりしながら、毅然と歌っていく。起伏のある楽曲にファルセットを響かせて加速。Tom-H@ckも体の横に構えたギターを激しくかき鳴らし、駆け抜けていった。「theater D」はズシリと重みのあるサウンドに、どこか不穏なメロディ。クールな表情でシャープなボーカルが突き刺さる。フロアは「オイ! オイ!」とより大きなコールで盛り上がりながら、まさに異世界感が醸し出される。ユニットの代表曲にもなった「STYX HELIX」では、ピアノの旋律から幻想感がより高まる。繊細でスタイリッシュな音楽の流れに身を任せると、心地良いような翻弄されているような。悲しみとも希望ともつかずに胸が震えるのは、「感情の最果て」を掲げるMYTH & ROIDが意図するところなのだろうか。
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