「ダイエット中にラーメン食べちゃった」救うAIテクノロジー 管理栄養士〝ゆるっとでもいい〟と言う理由
食べたいものを食べるためにどうする?
一方で、課題もあります。一つは「男性の認知度はまだまだ」(道江さん)であること。現在、会員から人気の「ボディメイクコース」は、ターゲットである男性のユーザーにインタビューをして、ニーズを聞き取って誕生しました。 このコースでは、たんぱく質の量だけでなく、PFCバランス(たんぱく質、脂質、炭水化物のバランス)についても可視化し、未来さんからアドバイスをもらえます。しかし、ここでもストイックになりすぎないための工夫があるそうです。 「『あすけん』として伝えたいのは、たんぱく質を摂りすぎると脂質の量も増えてしまうということ。その結果、健康診断の結果が悪くなってしまっては、本末転倒です。ボディメイクコースに限らず、アドバイスは、長い目で見てユーザーのみなさまの健康を害することがないように心がけています」 こうした食事管理アプリを利用する上で、何かコツのようなものはあるのでしょうか。道江さんはおすすめの使い方として「ダイエットが成功するユーザー様には、食べたものを記録するだけでなく、『これから食べるものを記録する』という方もいます」と教えてくれました。 食べてからカロリーの過不足や栄養バランスが悪いことを知るのではなく、「これからこれを食べたらどうなるんだろう」とシミュレーションするような使い方、ということです。 このような使い方をすれば、「ダイエット中だけど昼にラーメン食べちゃった」といったシーンでも、「夜は何を食べればいいだろう」と前向きに生活習慣を改善することができる、と道江さんは言います。 「ダイエットというと、どうしても『食べられない』イメージがあるかと思いますが、『食べたいものを食べるために、他のメニューを組み立てる』という考え方を『あすけん』から普及させたいと考えています。食べる楽しみを失ってしまうと、記録もダイエットも続きません。 QOL(生活の質)、ウェルビーイング的な考え方は、これからもっと重要になっていくでしょう。いろんなストレスがある社会ですから、せめて食事の時くらいは、なるべく自由でありたいですよね。あすけんは食べ物を見える化するアプリなので、一旦、まず自分の状況を把握することで気づきがあると思います」 「出されたものを食べる」「お腹が空いたから食べる」だけではなく、自分にとって必要なものを「考えて食べる」という習慣。便利なアプリにより、それは今、身につきやすくなっているともいえるでしょう。