原発事故で京都に避難した166人の集団訴訟、東電に1億1200万円の賠償命令…国の責任は認めず
東京電力福島第一原発事故で、京都府内に避難した55世帯166人が国と東電に総額約8億2000万円の損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決が18日、大阪高裁であった。牧賢二裁判長は、国と東電に賠償を命じた1審・京都地裁判決を取り消し、東電に対してのみ、92人への総額約1億1200万円の支払いを命じた。国の責任は認めなかった。
同種訴訟を巡っては、最高裁が2022年6月、国の責任を否定する判断を示して以降、東電の責任のみを認める判決が続いている。
18年3月の1審判決は、国の責任について、大規模な津波の到来が予見可能で、東電に対して行政指導などの規制権限を行使すべきだったと判断。東電と同等の賠償責任があるとして、当時の原告174人のうち110人に計約1億1000万円を支払うよう命じた。
一方、22年6月の最高裁判決は「東日本大震災による津波の規模は事前の想定より大きく、国が東電に対策を命じても事故は防げなかった」と判断した。