懸命にレシーブする梶山。奥は園田＝佐賀県伊万里市イマリンビーチ

　第７８回国民スポーツ大会「ＳＡＧＡ２０２４」は１７日、佐賀県で２競技が行われ、長崎県勢はビーチバレー少年男子の園田柊弥・梶山剛大組（鎮西学院高）が決勝で愛媛を２－０で下して日本一に輝いた。ビーチバレーの県勢の優勝は初めて。 　ローイング少年女子シングルスカルの田中真緒（大村高）も初優勝。ローイング勢としては２００９年新潟国体の成年女子シングルスカルで晦日尚子（早大）が優勝して以来、１５年ぶりの国スポ制覇を果たした。 　ローイング勢は田中のほか、少年男子ダブルスカルの梶﨑悠志郎・西村南一紀組（大村高）が３位、成年女子シングルスカルの中山彩花（チョープロ）も５位入賞。計３艇が賞状を手にした。 　１８～２０日は競技を未実施。２１日に佐賀県内各地でサッカー、テニス、ソフトテニスの先行開催３競技が始まる。 ◎全試合ストレート勝ち　仲間の大声援に応え 　鎮西学院高バレー部の同級生らが大声援で“ホーム”の雰囲気をつくり上げる中、全日本高校選手権王者が強さを見せつけ、それに応えた。ビーチバレー少年男子決勝で園田・梶山組が愛媛ペアに２－０で快勝。ともに打って拾える万能型ペアが全５試合ストレート勝ちで、再び日本一を勝ち取った。 　第１セットから走った。１８０センチ超の長身ペアを相手に、正確なレシーブから相手の位置を冷静に見極めたショット、強打を次々に決めて２１－１３。第２セットは戸田監督（鎮西学院高教）が「勝負はそう簡単にはいかない」と振り返ったように、１８－１２から５連続得点を許したが、サーブで狙われていた園田を梶山がカバー。ショット、サービスエースで２０点に乗せ、最後もツーアタックで全国２冠を決めた。 　園田は日見中、梶山は瑞穂中の出身。中学時代は、園田は県選抜に入っていたが主力ではなく、梶山は選抜入りしていなかった。室内６人制とビーチの「二刀流」を掲げる鎮西学院高で、ビーチでは高校３年になってからペアを組み、メキメキと力をつけた。７月の全日本Ｕ－２３男女選抜優勝大会は大学生に交じって８強。８月の全日本高校選手権で県勢初Ｖを飾った。追われる立場になったが「挑戦者として食らい付くつもりで」臨んだ国スポだった。 　ともに６人制ではＯＨ。勢いがあり、感情を表に出す１８５センチの園田、冷静で技術が高い１７６センチの梶山がうまくかみ合い、仲間たちの応援も力にして手にした県勢初の快挙。「１セットも落とさずに２冠を取れてうれしい」。タイプの違う２人は、息の合った言葉で喜びを表現した。