マイナカード、来春には運転免許も一体化…iPhoneに搭載も可能に
健康保険証として使われるマイナンバーカードは、今年10月末時点で保有枚数が9449万枚、人口に対するカードの保有率は75・7%となった。政府は今後、運転免許証との一体化などを進め、マイナカードの利便性の向上を図る方針だ。 【ひと目でわかる】現行の保険証はどうなる
マイナカードは2016年1月に発行が始まった。コンビニエンスストアで住民票の写しなどを取得する際に利用でき、コンビニ交付システムを運営する地方公共団体情報システム機構(J―LIS)によると、23年度の利用数は約3189万通で、前年度比で1・5倍に増えた。
本人確認の手段としての利用も広がり、金融機関がオンラインでの証券口座の開設や住宅ローンの契約などの際に利用している。
25年3月には、運転免許証の機能をマイナカードに搭載する「マイナ免許証」の運用も始まる。免許の種類や有効期限などの情報をマイナカードの内蔵チップに記録する仕組みで、希望すれば現行の免許証から切り替えられる。
また、マイナカードを持ち歩かずに済むように、スマートフォンへ機能を搭載する動きも進む。すでに米グーグルの基本ソフトウェア(OS)「アンドロイド」を使う端末は搭載可能となっているほか、25年春には、国内のスマホ市場で5割超のシェア(占有率)を持つ米アップルの「iPhone(アイフォーン)」に搭載できるようになる。
マイナカードを所管する平デジタル相は11月29日の記者会見で、「マイナカードは保有が9400万枚を超え、最も普及した本人確認ツールになった。技術や利用方法などを改善し、使いやすくしていきたい」と述べた。