子育て中、小魚せっせと 神戸・垂水にコアジサシ、砂浜で営巣
繁殖のため日本に飛来する希少種コアジサシが、神戸市垂水区の砂浜で営巣し、雄と雌が交代でひなに餌を運ぶ姿を見せている。 【写真】「小魚ちょーだい」大きな口を開けるコアジサシのひな カモメ科の夏鳥で、日本には4月半ば以降に飛来する。のどや腹は白く、頭部は帽子をかぶったように黒い。雄が雌に餌を渡す求愛行動を経てペアとなる。 営巣には小石混じりの砂地を好むが、天然の河川敷や砂浜の減少によって適地が狭まっている。兵庫県版レッドリストではBランクに指定され、絶滅の危機が増大しているとされる。 人が接近すると子育てを放棄する恐れがあるため、営巣地周辺では立ち入りが制限されている。日本野鳥の会ひょうごによると今季は60羽以上が飛来。岩崎健二代表は「ここは希少な繁殖地。来年も戻ってきてくれるよう、できる限り離れてそっと観察してほしい」と呼びかけている。(小林良多)