藤島ジュリーが「Travis Japan」ロス公演に来場で物議…旧ジャニーズ性加害問題を絶対に風化させてはならない
ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏による連続児童性加害問題で、社長の座を退いた創業家の藤島ジュリー景子氏(58)の動向が注目を集めている。ジャニーズ事務所からタレントのマネジメント業務を引き継いだ「スタートエンターテイメント」の興行に顔を出していたというのだ。 喜多川氏からの性被害「当事者の会」が解散…旧ジャニーズに今後も求められる誠意と補償 7人組アイドルグループ「Travis Japan」の今月15日(現地時間14日)に米ロサンゼルスで開かれた公演で、ジュリー氏の目撃情報がSNSに多数アップされた。昨年5月の会見で、ジュリー氏は叔父でもあるジャニー氏の性犯罪について初めて謝罪した際にこう言った。 「今後わたしは補償とタレントの心のケアに専念し、それ以外の業務には一切あたりません」──。 補償問題は現在も続いているが、スマイルアップ社の東山紀之社長が宣言した「法を超えた救済」からはほど遠い。被害者たちとの補償額の交渉にあたる「救済委員会」は補償基準を明示せず、元「当事者の会」の石丸志門氏との調停では補償金交渉で「調停を取り下げる」とまで言い放ったそうだ。 ジュリー氏がロスでの公演に現れたのはこの第3回調停が行われた翌週であった。スタート社は、「フライデー」の取材にジュリー氏が公演会場に行ったことを認めつつ、こうメールで返答したという。 《プライベートでご来場されたのは事実ですが、経営には一切関わっておりません》 現在も実質的オーナーの地位は株も含めて手放していないにもかかわらず、こんな詭弁が通じるとでも思っているとしたら度し難い思い上がりである。
「ジュリーさんといい、東山さんといい、補償はもう済んだとでも思っているのでしょうか」
スマイルアップは補償申告者1000人のうち、連絡のついた763人中の743人に救済委員会から連絡したとして「97%」解決との数字をHPで発表している。しかし、補償内容を通知した530人のうちにも、石丸氏のように合意に至っていないケースが複数あるほか「弊社より補償を行わない旨をご連絡(213人)しました」とされた被害者たちも納得していない。石丸氏に続いて調停を準備している被害者も複数いるのである。芸能リポーターの平野早苗さんが言う。 「ジュリーさんといい、東山さんといい、補償はもう済んだとでも思っているのでしょうか。ジュリーさんの今回明るみになった行動はプライベートで行ったと言われれば、ダメとは言えないでしょうけど、まだ補償もされていないたくさんの被害者の方々の心中は察するに余りある」 実名で被害を訴えている元ジャニーズ所属タレントの志賀泰伸氏、長渡康二氏、中村一也氏はこのほど日本記者クラブで会見し、被害者たちへの誹謗中傷コメント問題もスマイルアップはないがしろにしていると指摘。中村氏は「そこに蓋をしては同じことを繰り返す」といい、長渡氏はこう訴えた。 ■「補償金をもらえば心は癒えるかというと、全くもってノーだ」 東山社長と同じ「少年隊」のメンバーで、2020年に退所した錦織一清は「週刊文春」の阿川佐和子氏との対談でこのほどこう語った。 《うん。当然、犯罪はよくないと思います。でも、これは事実だからしょうがないんだけど、僕たちは犯罪者に育てられた子どもたちなんだよね。自分が川で溺れているときに助けてくれた人が、実は殺人犯だったらどうするかって話で》 ■NHKはタレント出演解禁 先のNHK定例会長会見で稲葉延雄会長は旧ジャニタレへの番組出演解禁を明言した。20日放送のNHKスペシャル「ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」では性加害問題を特集したが、当の被害者たちからは「自分たちの存在の頭越しに問題解決の道筋が出来ているようだ」との声が上がる。ジュリー氏が、東山社長が、さらにNHKが、本当に性加害問題は一件落着とでも考えているとすれば言語道断。絶対に風化させてはならない。 ◇ ◇ ◇ 被害者置き去りで物事が急ピッチで進んでいる。●関連記事【もっと読む】NHKは「人権より視聴率」で旧ジャニーズ解禁の愚…「活躍や話題性を理由に起用」は“方便”…では、旧ジャニーズのタレント起用を急ぐNHKの愚かしさについて伝えている。