【初公開】芦屋の震災映像 29年間行方不明だった阪神淡路大震災当日の記録テープが見つかる～1995年1月17日午前～
シリーズ証言1・17
阪神淡路大震災が発生した1995年1月17日午前の芦屋市内の様子を撮影したテープが見つかりました。これまで放送されることのなかった29年前の記録映像です。 【クリック▶】芦屋の震災映像 ニュース動画はこちら
29年間行方不明 引っ越しで見つかった記録テープ
サンテレビ元記者の野口勝己さん（79）。2024年の春、家の引っ越しをきっかけに紛失していたテープが出てきました。 野口さん「30年越しに自分が撮った映像が出てくるなんてほんま。これも何かの通じるものがあるのかなと思っていますね」
29年ぶりに見る映像 何が記録されていたのか？
木箱の底に眠っていたのは、阪神淡路大震災発災当日を撮影したテープでした。 野口さん「今回の引っ越しでいろいろものを点検した中のこの1番箱の底から出てきたわけよ。95年の1月17日部屋の中周辺と書いてあるからこれは多分その時のカメラで撮ったやつやと思うねん」 どのような映像が記録されていたのか？神戸市長田区の神戸映画資料館で、その映像を再生してもらいました。
「これは当日の映像やわ」
1995年1月17日、発災当日朝の芦屋市内。全壊した自宅の中や市内の被害の様子が記録されていました。6434人が犠牲になった阪神淡路大震災。443人（市の発表は444人）が亡くなった芦屋市の記録です。
自宅が全壊 妻を病院に連れて行った後撮影を始めた
野口さんは、自宅が全壊し、避難所や友人の家で暮らしながら取材活動を続けました。 1995年当時野口さんインタビュー 「こんな壊滅的なこれまで体験していないような地震だから。ものすごい被害が出ているんじゃないか」 29年前、野口さんが暮らしていたのが芦屋市翠ヶ丘町（みどりがおかちょう）です。 野口さん「建て直したマンションなんですけども、私が住んでいた時は5階の中央部で。ベランダから南の方を撮影しようかなということで」 1995年1月17日午前7時半ごろ芦屋市のマンション5階から撮影された映像です。西の神戸方面は煙で視界が悪く、東の西宮方面からも煙が。
自宅の中は、家具が散乱し、テレビや棚が大きく移動していました。野口さんは、明るくなってからけがをした妻を連れて病院に向かいました。 野口さん「女房の上に梁のコンクリート片が頭に当たって、これはちょっとやばいなということで、大分出血しましてね」 住んでいるマンションは全壊。妻の応急処置を終えたため、野口さんは家庭用のビデオカメラを手に取り、自宅や市内の様子を撮影しました。再び5階の部屋に戻り、ベランダから南の方向を撮影すると、近くのマンションから新たに煙が上がっていました。自宅から現場まで南に200メートルほど。野口さんは徒歩で火災現場まで向かいました。近くのマンションは、5階から煙が上がっていて、周辺の民家も倒壊していました。煙の勢いは増していきますが、ここでテープが終わりました。次のテープに切り替わると、炎が上がっていました。
