バルセロナ・オープン・バンコ・サバデル

初戦突破を果たしたニック・ハート[画像/ゲッティイメージズ]

男子テニスのバルセロナ・オープン・バンコ・サバデル（スペイン/バルセロナ、レッドクレー、ATP500）は15日、シングルス1回戦が行われ、予選から出場している世界ランク229位のN・ハート（ドミニカ共和国）がワイルドカード（主催者推薦）で出場した同328位のM・ランダルーセ（スペイン）を2-6, 6-4，6-3の逆転で破り、ATPツアー初勝利をあげ初戦突破を果たした。 【アルカラス、ナダル、西岡 良仁らバルセロナOP組合せ】 23歳のハートは国別対抗戦のデビスカップで過去公式戦白星をあげていたが、ATPツアーでは未勝利で今大会に出場。予選で2試合を勝ち抜き本戦入りすると、1回戦では地元の声援を受けるランダルーセと激突した。 第1セットこと落としたハートだが、第2セット以降はブレークを許すことのないプレーを披露。特にファイナルセットではファーストサービスが入ったときに87パーセントの高い確率でポイントを獲得するなどランダルーセを寄せ付けることなく2時間20分で逆転勝ちをおさめた。 男子プロテニス協会のATP公式サイトにはハートのコメントが掲載されている。 「クレイジーな1日で、特別な1日だったね。今日はドミニカの観客が応援に来てくれて本当にうれしかったよ。2回戦に進出できて、本当にうれしい」 ドミニカ共和国は野球が人気で、アスリートの多くは野球を選択する。そんななかでハートは3歳のころからテニスを習い始め、元世界ランク1位のR・フェデラー（スイス）に憧れを抱いていると明かした。 「テニスを始めたのは3歳のときで、父が小さなテニスクラブを持っていたからなんだ。父が友達とテニスをしているのを1日中見ていた。それ以来、テニスが大好きになったんだ。そして、僕のアイドルはいつもロジャー・フェデラーだ。彼のプレーが大好きだった。彼はコート上で、とても簡単に、とてもエレガントに見えた。彼は僕のアイドルだった。そしてもちろん、ラファ（ナダル）は毎日ハードワークをしている。彼は決してあきらめないし、僕にとって大きなインスピレーションになる」 最後にハートは自身のどんなところに注目してほしいか、観客にメッセージを伝えた。 「フォアハンドはとてもアグレッシブだと思うよ。それにドロップショットを多用するのも好きで、少しバラエティに富んでいる選手だ」 2回戦では第13シードのT・M・エチェベリー（アルゼンチン）と対戦する。今大会はシード勢が1回戦免除のためエチェベリーはこの試合が初戦となる。 同日には世界ランク40位のM・アルナルディ（イタリア）や同43位のS・オフナー（オーストリア）、同84位のR・バウティスタ=アグ（スペイン）、同87位のB・ナカシマ（アメリカ）らが初戦を突破している。