バイデン氏、イスラエルに自重促す-イラン石油施設への攻撃巡り
(ブルームバーグ): バイデン米大統領は、イスラエルにイラン石油施設への攻撃を思いとどまるよう促している。イランがイスラエルに約200発の弾道ミサイルを発射したことを巡り、米国は中東が全面戦争に陥らないようイスラエル側の対応を方向付けようとしている。
イスラエルの対イラン報復、石油施設攻撃「協議中」とバイデン氏
イランが1日に行った弾道ミサイル攻撃に対し、イスラエルのネタニヤフ首相は報復する以外に選択肢はないと警告している。バイデン氏は4日にホワイトハウスで記者団に対し、イスラエルが何らかの形で対応するであろうことは認めた。しかし、イランの核施設を攻撃すべきではないと主張するなど、ネタニヤフ首相が行き過ぎないようにも努めてきた。
バイデン大統領、イスラエルにイラン核施設攻撃控えるよう求める
バイデン氏は「イスラエルは攻撃に関して、まだ何をするか結論を出していない」と述べ、いつ攻撃が行われるか分からないと付け加えた。その上で「もし私が彼らの立場だったら、油田を攻撃する以外の選択肢を考えていると思う」と語った。
イスラエルが弾道ミサイル攻撃への対応を決定するに当たり、バイデン氏はイスラエル政府と協議していると説明。ネタニヤフ氏は報復を明言しているだけに、攻撃はいつでも行われる可能性がある。
中東情勢の緊迫化を受け、主要7カ国(G7)は今週に入って緊急首脳会議を開催。G7は、すでに重い金融制裁下にあるイランに対する制裁措置を検討している。米国がイランの石油部門に対する新たな制裁を検討しているかどうかを問われ、バイデン氏は「今まさに検討中だ」と述べた。
一方、共和党大統領候補のトランプ前大統領は4日夜、ノースカロライナ州での集会で、イスラエルによる報復はイランの核施設を標的とすべきだとして、バイデン氏のアプローチを批判した。
トランプ氏はバイデン氏について、「彼は間違っていると思う」と述べた上で、「まず核施設を攻撃すべきであり、その他のことは後で心配すればよい」と語った。