「試したのは良かった」櫻井心那、今季初勝利ならずも球筋変えて手応え【女子ゴルフ】
◆女子ゴルフ・富士通レディース最終日(13日、千葉県東急セブンハンドレッド、6697ヤード、パー72) 通算10アンダー、トップタイでスタートした20歳の櫻井心那(長崎市出身)が4バーディー、2ボギーの70で回り、トップに2打差の3位タイに終わり、今季初勝利を果たすことはできなかった。 ■岩井千怜とラウンドしてみたら…【関連】 優勝は通算14アンダーで並んだ山下美夢有が古江彩佳とのプレーオフを2ホール目で制し、今季初勝利、ツアー通算12勝目を飾った。 18番でボギーをたたいてスコアを落とした櫻井。プレー終了後に報道陣に囲まれると「悔しいです」と顔をゆがませて言葉を絞り出した。「私に流れが来なくても耐えていきたい」と2日目終了後に話していた通り、最終日の前半は我慢のゴルフが続いた。 1打目をフェアウエーに置いてもグリーンを狙ったショットにさえがなく、グリーンを捉えてもバーディーチャンスにつけられない。「カップに蹴られたり、筋が違ったりしたのが三つくらいあったけれど、チャンスらしいチャンスはなかった」と9ホールはすべてパー。前半でスコアを五つ伸ばした山下にハーフターンで5打差をつけられた。 これで「後半は行かないといけないとスイッチが入った」と櫻井。405ヤードの11番パー4で残り135ヤードの第2打をピンそば1メートルにつけて、この日初バーディーを奪うと13、14番でもショットをピンに絡めて連続バーディー。15番で3パットのボギーをたたいたものの、パー5の16番でグリーン奥から3打目を2メートルにつけてバーディー。トップに1打差と再び迫っただけに18番のボギーが痛かった。 今季中盤から球筋をドローボールに変えたが思うような成績を残せず、今週から再びフェードボールに戻して臨んだ大会だった。「(前回覇者で)イメージのいいコース。このタイミングで(フェードを)試したのは良かった」と今季初勝利は逃したが、迷ってきたショットの不安をかき消すことができた。 昨季はプロ初勝利から四つの勝利を積み上げたが、今季は未勝利。それでも「きょうの後半はいい球筋が多かったので収穫になりました。(久しぶりに)優勝争いができて楽しかった」と最後には笑みを浮かべ、終盤戦での浮上に確かな手応えをつかんでいた。(安田栄治)
西日本新聞社