私は夫に先立たれており、子どももいません。私が亡くなった後の手続きは親戚に頼むのですが、その際にかかる経費はどのくらいですか?
どなたかが亡くなると、葬儀や埋葬などに関する費用がかかります。 配偶者や子どもが健在ならば、比較的安心して任せられるかもしれませんが、肉親が近くにいない場合は、誰にどのような形で依頼するのかを、はっきりさせておく必要があります。ご自分の意志を伝えることと、最低限の金額は準備しておきたいものです。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
葬儀にかかる費用は
まず、葬儀についての費用を知っておく必要があります。コロナ禍で大勢の人が集まりにくい、参列者の高齢化が進んでいる、といった事情で葬儀の簡素化が一段と進みました。葬儀のために、多額の費用を準備することは減りつつあります。 葬儀の形としては、(1)一般葬、(2)家族葬、(3)一日葬、(4)直葬などが考えられます(下記金額はあくまで目安です)。 (1) 一般葬は、通夜と告別式を2日に分けて行う従来型の葬儀で、広く告知をして多くの方に参列してもらう葬儀です。僧侶を依頼し、葬儀会場も手配します。 費用としては、150~250万円はかかります。由緒ある寺院で実施する、参列者が100人以上になると、僧侶へのお布施や飲食代や返礼品の費用などが増え、300万円以上になることもあります。 (2) 家族葬は、ごく身近な家族だけが集まって実施するもので、一般葬を小型化した葬儀です。参列者も限定されるため、費用は、80~120万円程度で済みます。 (3) 一日葬は、通夜をなくして告別式と火葬だけにする方式で、家族中心か、ごく親しい関係者が出席する形式です。費用は、50~70万円です。 (4) 直葬は火葬式ともいわれ、死後24時間以降に火葬炉の前で僧侶の読経など宗教的儀式をした後に、火葬を行う方式です。費用も抑えられ、20~40万円で済みます。費用を安く抑えられるため、増える傾向にあります。 ただし、東京都は火葬場の多くが民営のため、近隣県の公営火葬場よりも費用がかかる傾向にあるので注意が必要です。 これらのうち、どの形式の葬儀を選んでほしいかを、親戚の方に意思表示をしておきましょう。最近では、広い会場を準備し、多くの方の参列をお願いする一般葬は減少し、親しい家族・親戚だけが集まる小規模な家族葬が主流になっていますが、費用の安い一日葬や直葬も増えています。 自分の葬儀を実施してほしいのか意思伝達がないと、依頼されたほうが対応の苦慮することになります。