「男性保育士におむつ替えや着替えをしてほしくない」保護者からの声に現役保育士が思うこと
僕たち現場の保育士の頑張りを見てもらうしかない
不安材料を消したいと思われる保護者の方から「うちの子のオムツ替えや着替えは男性保育士にはさせないでください」と言われることは十分理解できます。だから、その辺りは固執しないことも必要なのかなと思います。保育内容は、オムツ替えが全てではありません。ほんの一部です。適材適所で分担すればいいのではないでしょうか。 また「男性保育士がいる園は避けます」という考えを持たれることも、しかたがないことだと思います。僕たちができることは「男性保育士がいる園でよかった」と思われ、子どもが成長したときに「将来は保育士になりたい」と思ってもらえる職業にしていくことだとも考えます。 はる:適材適所! わかります。男性保育士が園にいることのメリットはたくさんありますよね。
保護者と先生(園)、先生と子どもの間で“信頼関係”を築くことは大切
そうなんです。体を張ってダイナミックに遊ぶのは、どちらかといえば男性のほうが向いているでしょう? 特に年中、年長さんになってくると、子どもたちの体力や運動量もアップしてくるので大変ですからね。あとは“虫関係(笑)”。これも得意、不得意があるかもしれないけれど、苦手な女性もいますから。とはいっても、こういったことも、本当は女性、男性関係なく「適材適所」だと思うところ。 「体力に自信があるし、運動はバッチリ! でも、お絵描きや工作が不得意」という女性保育士もいるし、「運動よりも歌やお絵描きが得意」という男性保育士だっています。虫関係だって、平気な女性もいれば、卒倒してしまう男性もいる。ん? そう考えると僕って割とオールマイティーに対応できちゃう先生だ、自画自賛ですが(笑)。 それはさておき、ジェンダーバイアスを持たない雰囲気や環境づくりも、子育ての現場では必要なことなんじゃないかなと思っています。 はる:そういった意味からも、保育現場に“男性と女性”がふつうにいる環境って健全ですよね! 保育現場は女性だけの職場も多いのですが、男性保育士が入ることで俯瞰した視点や考えがプラスされたりして、メリットも多いと感じます。 そう思います。僕は園に行った時には、机やイス、遊具の移動といった園内での“力仕事”や高所作業などを買って出るのですが、やはりとても感謝されます。あと、これはどの職種でも同じだと思うのですが、男性、女性、双方の視点や観点が生かされたほうが、新しいアイディアが生まれたり、気づきがあったりして、よりよい方向に進むことができると思うんです。 ともあれ、園で働く多くの保育士たちは、日々子どもたちの成長の支えとなるべく頑張っていることはわかってもらいたい。そして、不安がある場合、家庭と園(先生)の信頼関係をきちんと築くことがとても大切だということを、子育てパパ&ママに伝えたいです。 はる:実際に現場で働いていらっしゃる男性保育士さんはみなさん真面目で素敵な方が多かったです。保育士との信頼感が何より1番大事なことだなと実感しています。男性視点のお話をお伺いすることができて、とても参考になりました。ありがとうございました!