【車いすラグビー日本代表/カナダカップ2024】日本はチーム力を結集し開幕3連勝 。
エキサイティングな余韻を残して始まった後半も頭脳ゲームのような展開が続いた。 チーム最年長の島川慎一が目の覚めるようなランでトライを次々と挙げる。そして倉橋香衣は、自分より障がいの軽い相手プレーヤーをコーナーでがっちりと止め、ミスマッチを作る。 アメリカが得意とするクロスの攻撃を封じた日本はリードを広げ、50-43で勝利を収めた。 スタメン出場して攻守に絡むプレーで勝利に貢献した小川仁士は、「戦術がはまりミーティング通りのオフェンスとディフェンスができた。アメリカに対してどこか苦手意識があったが、コンスタントに勝てるようになり、それは払拭されたと感じている」と手応えを口にした。 その4時間後におこなわれたオーストラリアとの一戦は、ランのスキルを競うかのような走り合いの展開となった。 序盤で立て続けにターンオーバーを奪った日本は主導権を握り、池崎大輔と中町俊耶を中心に得点を重ねる。 一方のオーストラリアもライリー・バットとクリス・ボンドの両輪をフル稼働させスコアしていく。
オーストラリアは同じアジア・オセアニア地域に所属するライバルとして、パラリンピックや世界選手権の地域予選をはじめ対戦することも多い。 言わば手の内を知り尽くした相手で、他の海外チームとは違う独特な試合の空気感がある。 壮絶な走り合いは、これまでの対戦でも幾度となく見られたが、さすが世界トップランカー同士とあって、鍛え抜いた走力はどちらも本物だ。疲れを知らない運動量で、左へ右へ絶え間なくコートを駆け回る。 そのスピード感に目が慣れると、一瞬、動きがゆったりと見え、ラグ車(ラグビー競技用の車いすの通称)が描く曲線に美しさを感じた。 第2ピリオド終盤、「世界一のプレーヤー」と称されるバットを、乗松聖矢がガッチリと押さえ込みチームの士気を高める。 そうして、またたく間に試合が進み、26-23で前半を終了した。