不動産投資は「富裕層が圧倒的有利」といえる納得の理由
富裕層の不動産投資…一般投資家とはスタートラインが違う
想像してほしい。あなたがもし不動産の売主で資金繰りに困っており、相場より安くても良いから1日でも早く売却して現金を得たい場合、どのような買主を探すだろうか。現金で確実に買ってくれて、意思決定が早い富裕層に購入してもらいたいはずだ。不動産投資では一般的な投資家は銀行の融資を利用することが多いが、銀行の融資審査には少なくとも数週間かかり、融資が下りるかどうかも不確実なので、本当に格安な不動産情報は現金購入が可能な富裕層に真っ先に集まってくる。賢い富裕層はこのような格安物件を即時に購入して富を増やしている。ここに富裕層の圧倒的な優位性が認められる。 筆者のように不動産仲介業を営んでいると、どう考えても格安だと思われる不動産に出合うことがあるので、富裕層としては常にアンテナを広げて旬な情報を得られるようにすることが大事である。 また、仮に不動産投資で銀行融資を利用する場合でも、銀行が要求してくる金利は投資家の属性(資金力)によって大きく異なる。 たとえば現預金が潤沢にあって10億円の不動産を購入しても資金力にまったく問題がない超富裕層の場合、銀行が貸出先としてほぼノーリスクだと判断し、年0.1~0.2%程度の金利で融資してくれる可能性がある。銀行としてもこの程度の金利では殆ど儲けが出ないものの、超富裕層を囲い込んで今後のビジネスに繋ぎたいという意図があるのだ。これに対し、標準的な属性(資金力)の投資家だと年1~2%程度、属性(資金力)があまり良くない投資家だと年5%以上の高金利で借りているケースも散見される。 ゴルフというスポーツは、上手なプレイヤーが上手でないプレイヤーにハンディキャップを与えてレベルの違う者同士でも一緒に楽しめるスポーツであるが、不動産投資はゴルフとは真逆で、資金力がある富裕層が圧倒的に有利なゲームである。 たとえば、徒競走で一般的な投資家は100m走る必要があるのに富裕層は30mも手前からスタートすることが認められ、残り70mを走ればゴールできるのだ。足の速さが同じなら確実に富裕層が勝つ。つまり、格安な不動産情報が集まるスピードや銀行金利など、富裕層と一般的な投資家ではスタートラインがそもそも異なるので不動産投資は富裕層がさらに豊かになる可能性が高いゲームなのだ。これほど富裕層に有利な投資対象は他にはないと思われ、富裕層にとってこの特性を利用しない手はないと考える。
長谷川 傑