ビッグモーターの兼重社長が辞任 保険金不正請求で引責、息子も
中古車販売大手ビッグモーター（東京）は25日、自動車保険の保険金不正請求が横行した問題の責任を取り、創業者の兼重宏行社長（71）が26日付で辞任すると発表した。息子の兼重宏一副社長（35）も辞任する。創業一族が経営の一線から退く事態に追い込まれた。 ビッグモーターに37人出向 損保ジャパン、担当部長も
兼重社長は不正発覚後で初めて記者会見し「客や損害保険会社に多大な迷惑と心配をかけた。誠に申し訳ない」と謝罪した。不正請求が横行したことは、6月に外部弁護士による調査報告書を受領するまで認識していなかったと釈明した。「経営層の関与は全くない」と言い切った。 後任の社長、副社長には和泉伸二専務（54）、石橋光国取締役（45）がそれぞれ就く。兼重社長は「企業風土を一新することが信頼を取り戻す近道だと判断した」と述べた。和泉氏は「社長のリーダーシップに頼り切っていた。（外部からの）さまざまな意見や指摘を聞く機会も非常に少なかった」と明かした。 新体制は新規出店計画の見直しを検討する。販売や買い取りの台数が半減しており、信用回復への道は険しい。
