カーター元米大統領が100歳で死去、 退任後の功績で02年にノーベル平和賞
第39代米大統領のジミー・カーター氏が29日、死去した。100歳だった。同氏が設立した非政府組織(NGO)カーター・センターが明らかにした。 カーター氏は南部ジョージア州の自宅で終末期ケアに入っていた。 息子のチップ・カーター氏は「父は私にとってだけでなく、平和、人権、無私の愛を信じる全ての人にとって英雄だった」と述べた。 歴代の大統領の中で最高齢だった。 落花生農家に生まれたカーター氏はジョージア州知事などを経て、1976年の米大統領選挙に民主党候補として出馬し、現職のフォード大統領を破り77年1月に第39代大統領に就任した。 翌年78年にはキャンプ・デービッド合意を仲介してエジプトとイスラエルの和平条約を実現し、中東の安定化につながった。 一方で景気低迷のほか、任期終了までの約440日にわたって続いたイラン米大使館人質事件の対応に苦慮した。再選を目指したが、80年大統領選でロナルド・レーガン氏に大敗して1期で職を退いた。 退任後は長く人道的活動に取り組んだ。国際紛争の平和的解決の追求や民主主義と人道主義発展ための取り組みが評価され、02年にノーベル平和賞を受賞した。 バイデン大統領は「米国と世界は本日、並外れた指導者、政治家、人道主義者を失った」とする声明を発表。「われわれは60年以上にわたり、ジミー・カーター氏を親愛なる友人と呼ぶ栄誉に恵まれてきた。しかし同氏の素晴らしいところは、彼に一度も会ったことのない全米、そして世界中の何百万人もの人々が、彼を親愛なる友人だと思っていたことだ」とした。 トランプ次期大統領はカーター氏が「大統領として直面した課題はわが国にとって重要な局面で起き、彼は全ての米国民の生活を向上させるために全力を尽くした。この点でわれわれは皆、彼に感謝の念を抱いている」とコメントした。