その色気…どこに隠していた?“37歳俳優”に陥落する女性続出のワケ。『光る君へ』『田中さん』に続く“当たり役”は
ロスを巻き起こした『光る君へ』の直秀役
役柄がガラリと変わり、大河ドラマ『光る君へ』の直秀役も非常に魅力的です。本作では『源氏物語』を生み出した紫式部/まひろ(吉高由里子)と平安時代の最高権力者となる藤原道長(柄本佑)の“想い”を軸に、さまざまな人間模様が描かれています。 毎熊が演じた直秀は、町辻で風刺劇を披露する散楽の一員で、歴史に記されてはいないオリジナルのキャラクター。平安の時代にいたかは分からないけれど「絶対にそこにいた!」と思わせるリアリティを毎熊は直秀に吹き込んでいたと感じます。あまりに遠い昔でどこか現実的ではない平安の世界を、直秀は私たちと同じ視点で観ている存在だったのではないでしょうか。
「帰るのかよ」「行かねえよな」話題になった台詞も多数
また直秀は、まひろと道長を、物理的にも心理的にも“繋ぐ”役割を担っており、相反する気持ちや立場を多面的にもっている人物。その複雑な心持ちを毎熊は見事に表現していました。身分が違うものの、まひろに惹かれる。毛嫌いしている貴族側の道長に対しても、どこか憎めない。どこか羨ましさもあり、惹かれてしまう。 「帰るのかよ」「一緒に行くか?」「行かねえよな」など“胸キュン”と話題になった台詞もありましたが、それは毎熊の繊細な心理描写があってこそ! 登場シーンはさほど多くなかったものの、回を重ねるごとに直秀の複雑な立場や心情が積み重なったことにより、私たちはどんどん毎熊に魅せられていったのではないでしょうか。そして「もっと直秀を!!!」と視聴者のボルテージが上がったところで、まさかの展開。その後の“直秀ロス”は、毎熊の秀逸な演技により、起こるべくして起こったといえるでしょう。
『セクシー田中さん』では偏見まみれの商社マン
毎熊は現在37歳。どちらかといえば、遅咲きの俳優さんかもしれません。しかし長かった下積みの分だけ確かな実力で、多くの作品にリアリティを与えてきました。昨年放送されたドラマ『セクシー田中さん』では、女性に対する偏見にまみれた商社マン・笙野浩介役が話題に! 女性に失礼なことばかり言って、多くの女性を敵に回していましたが、偏見の裏側にある家庭環境や過去の恋愛経験が描かれるとともに、好感度もアップ。偏屈ながらも懸命に生きる笙野のチャーミングさが光る演技で、愛されるこじらせ男子へと昇華させていました。毎熊はこの役で、第118回ザテレビジョンドラマアカデミー賞・助演男優賞1位を受賞しています。