飲食店でバイトしていますが、店長から「明日までに新メニュー覚えてきて」と言われます。タイムカードを押したあとなのですが、時間外に「タダ働き」して覚えなければなりませんか…?
飲食店のアルバイトは、日々の業務以外にも覚えることがたくさんあります。例えば、新メニューの学習は仕事をするために必要なことですが、仕事中に時間を取ってもらえることは少なく、退勤後などの勤務時間外でやらざるを得ないこともあるでしょう。 本記事では、勤務時間外にメニュー確認等を行った場合の時給の支払いと、万一不払いになった場合の対処のしかたについて解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
店長から指示あった場合、時給は発生する
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、労働時間として扱うべき時間の例として「参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間」を挙げています。 このことから、店長から指示されて仕事に必要な資料(メニュー)を確認する作業は労働時間に含まれ、時給が発生すると考えられます。
「退勤後に確認しろとは指示してない」と言われたら?
では、店長に「いつ読むか指示はしていなかったので、退勤後に読んだ方が悪い」と反論されたらどうなるのでしょうか? 厚生労働省の「労働時間の考え方「研修・教育訓練」等の取扱い 」によると、労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」を指し、不参加によって業務を行うことができないような事実上参加を強制されている研修等の場合は労働時間に該当するとしています。 また、使用者から明示的に指示がなくても、「黙示の指示(使用者による直接の業務命令がなくても命令があったとみなすもの)」があったと認められれば、労働時間に該当します。 店長の「明日から新メニューだから確認しておいてね」という発言は、「残業しなさい」と明確には指示していませんが、すでに退勤しているにもかかわらず、明日までにやらなければ業務に差し支える確認をするように頼んでいるので、実質的に退勤後の時間外にやらざるを得ない状況にあり、「黙示の指示」に当てはまる可能性があります。