市場規模は3年で1.7倍に! お菓子界の新星 ”グミ”の可能性を探る 鹿児島
鹿児島テレビ
街中の気になる話題をニュースの目線で徹底調査する「街ネタ調査隊」。 きょう27日のテーマはこちら、お菓子の「グミ」についてです。 食感、見た目、味、こんなに細分化されたお菓子はほかにないと思うんですが、実はこのグミ、全国的に市場が拡大を続けていて、鹿児島県内の売り場にもその動きが現れています。 広がるグミ市場を調査してきました。 まずは街で聞いてみました。 「みなさんはグミ、食べますか?」 街の人 「グミめっちゃ食べます。毎日食べます」 「孫が来ると買ったりする」 「小腹がすいたときに食べます」 「勉強の時とか、集中力切れた時とか」 街では若者を中心に「よく食べる」という声が多かったグミ。 鹿児島市のコンビニエンスストアをのぞいてみると… 美川愛実アナウンサー 「こんにちは、見てください大きなグミの文字が見えますね!!何種類くらいあるんですか?」 「約100種類前後です」 ずらりと並ぶグミ。 その数、約100種類! セブン-イレブン鹿児島加治屋町店・野上田夏希店長 「もともと私がグミすごく好きで、結構品揃えはあったが、9月3日のグミの日に合わせて、盛り上がる売り場を作ろうかなとみんなで作った」 お客さんの反応が良く、9月以降も継続しているというこのコーナーには、好きなグミのランキングに… グミを固さごとに並べた何ともマニアックなチャートまで! 品数はコーナー設置前より30種類ほど増えました。 買い物客 「力入れてるなと思う」 「巨峰、最高です」 売り場でも存在感を増すグミについて、市場の動向に詳しい専門家に話を聞きました。 美川アナウンサー 「グミ業界は今どうなっているんですか?」 市場アナリスト・木地利光さん 「お菓子の市場規模の大きさで言うと1番大きいのはチョコレートだが、成長の具合で言ったらグミが一番伸びている市場」 こちらはグミの市場規模を示したグラフです。 拡大のペースは2020年以降、一気に加速し、わずか3年でその市場規模は1.7倍に。 この勢いで、お菓子界の下克上も起きていました。 木地さん 「(グミの市場は)2021年にガムの市場を超えた。その後も成長を続けて2023年には972億円になった」 もともとはガムがグミを250億円以上上回っていた市場規模ですが、2022年にほぼ同じ規模に並ぶと、2023年には逆転しています。 木地さんは背景をこう分析します。 木地さん 「急成長したのがコロナ禍だと思っていて、ガムは食べると吐き出すという過程があるので、食べるのが少しネックになってしまったのかなと見ている」 手を汚さず食べられる衛生面や、職場でも目立たず食べられる手軽さから子どもだけでなく大人からの人気も獲得していると言います。 勢いに乗るこのグミ市場に挑む場所が鹿児島にもありました。 向かったのは、奄美大島です。 鹿児島県奄美市にある贅沢グミ工房935(グミコ)。 代表の三宅昭江さんです。 パリティビット・三宅昭江代表 「グミが好きだからというのが一番ベースにある」 グミ好きによるグミ作りは、この小さなキッチンではじまります。 三宅さん 「不思議な液を混ぜていると魔法使いっぽい」 煮立っているのは、ラムネ味のグミの元になるグミ液。 ゼラチンや香料などを混ぜて溶かしたものです。 三宅さん 「ムラが出ると固まりきらないところが出てくるのでしっかり混ぜることが大事」 そしてしっかり混ざったグミ液をバットに流し込みます。 まるで波打つ奄美の海のようです。 この大きな塊を独自の方法でカットすると… 砂浜にあるシーグラスをイメージしたグミができあがりました。 味は奄美大島産のパッションフルーツ、徳之島産の黒糖、ミント、ラムネの4種類。 美川アナウンサー 「ガラスっぽい質感が絶妙ですよね。おいしいです。食感はやや固めで、食べ応えがありますよね。歯を入れたらパンと跳ね返してくるような弾力があって、後味がラムネの爽やかさが香る感じがします」 三宅さん 「(自らグミを食べ)おいしい。手前味噌ですね(笑)」 現在は妹の聡美さんと2人でグミを作る三宅さん。 もともとは東京で働いた経験もあるプログラマーで、地元奄美ではパソコン教室を開いていました。 三宅さん 「コロナの時にパソコン教室もいろいろあって、今後のことを考えるうちに、ひとつ方向を変えたいなとグミ食べながら考えていて、『土産品のグミってあんまり見ないな』と思って」 コロナ禍でパソコン教室の経営が難しくなったことを機に、グミ作りを決意。 2023年4月、事業をスタートしました。 試食を担当するのは96歳の父、昭三さんです。 三宅さん 「まだあれこれ作りたいものがある。タンカンならタンカンの大きさ、その果物と同じ大きさの同じ味のグミをがぶっとやってみたいなというのはある。グミ好きの夢ですよね」 奄美島内の店舗に加え、2024年7月には大阪の商業施設にも販路を拡大。 小さな島から始まった挑戦は続きます。 時代の流れも追い風に、勢いがとまらないグミ業界。 深く広がるグミの魅力に、あなたもハマってみませんか? ところで、今紹介したご当地グミについては、市場アナリストの木地さんも「最近は大手メーカーでもご当地ものが開発されていて、今後さらに活性化していく可能性がある」と話していました。 奄美のグミも全国に広がるかもしれないです。 お菓子界に新たな旋風を起こすグミから今後も目が離せません。
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