梶裕貴や荒木哲郎監督、澤野弘之らも登場!“10年分”の想いが明かされる「進撃の巨人」アフターパーティーの模様をお届け
テレビアニメ「進撃の巨人」の完結を祝し、アニメ史上初のファン参加型全世界合同打ち上げイベント「TVアニメ『進撃の巨人』放送完結記念ワールドワイド・アフターパーティー」が11月5~8日の4日間オンラインで開催。さらに、当初の予定からアーカイブ配信期間が延長されることになり、11月末日まで全コンテンツの継続公開が決定した。「The Final Season 完結編(後編)」のO.A直後からスタートした本イベントの「オープニングパーティー」には、約3000人のリアルタイム参加者が全世界から集結し、約3万件の熱いコメントが寄せられた。また11月6日には、キャラクターへのメッセージが約2万4000件(総計)も集まるなど好評を博している。 【写真を見る】エレン役の梶裕貴らも参加したテレビアニメ「進撃の巨人」アフターパーティーの模様を紹介! イベント会場となるのは、世界中からアクセスできるオンライン上に作られた特設クルーズ船。参加者は調査兵団の制服を身に着けたアバターを操作し、船内を自由に探索しながら、ファン同士で打ち上げをしたり、パブリックビューイングを楽しんだり、船室を巡って自分だけのアルバムを完成させたりして、「進撃の巨人」の世界を楽しむことができる。なかでも一番の目玉は、完結したいまだからこそネタバレ全開で話せる&聴ける、キャストやスタッフが出演した全6本の特別番組。どれも聞き応えがあり、もう一度最初からテレビアニメ全話を観返したくなるようなネタが満載。そこで今回は、特別番組のなかで語られたエピソードから一部をピックアップし、イベントの模様を紹介したい。 ■梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、嶋村侑らがアフレコの思い出を振り返る! 梶裕貴(エレン・イェーガー役)、石川由依(ミカサ・アッカーマン役)、井上麻里奈(アルミン・アルレルト役)、嶋村侑(アニ・レオンハート役)の4人が出演した「キャスト陣の秘蔵台本が登場!アフレコ現場10年分の裏話大会」では、冒頭の挨拶で「キャラクターの人生を演じ切ることができたのがうれしいです。みなさんのおかげです」と梶が共演者や制作スタッフ、そしてファンへ感謝の気持ちを伝え、和やかな雰囲気でトークがスタート。 梶が披露したFinal Seasonのアフレコ台本には、書き込みがびっしり。そのなかでも特に、エレン、ミカサ、アルミン役の3名で収録した最終話後編が印象深かったという。「傷口に塩を塗られる感じでしたけれど、エレンにとってようやく本音で話せる時間が訪れ、ミカサやアルミンに対する想いを伝えるシーンでは、演じていても、『ここまで来た』という気持ちと、『ちょっとしんどいな』という気持ちがありました。10年間演じてきた想いがあって、ハグしたあの感じというのは、すごく特別な時間だったなと思います。特に石川さんの涙が印象的でしたね」と振り返る。 その収録現場の映像も流れ、感極まって涙する石川を優しくハグをする井上、そして梶の様子が映しだされた。「終わるまでどんな気持ちになるのか、本当にわからなくて。ミカサも最後のセリフがつらくて、湧き上がるものがあって…ね」と、石川が井上に語りかけると、井上も頷いて同意。それぞれが持ち寄った台本を眺めながら、印象深かった話数のアフレコについて語り合っていた。 「10年後のごめんなさい」のコーナーでは、オーディションの思い出やイベントでの失敗、当時のキャスト陣の交流の様子など“いまだから話せる”ネタで大盛り上がり。「私だけが知っている『進撃の巨人』秘話」では、なんと梶が10年間愛用した“あるモノ”が判明し、女性陣がざわつく場面も。また、アニ役の嶋村は、最後の最後で名もなき女性の声をあてたことを告白。特別番組内では、それがどの人物だったかは明かされなかったので、改めて映像を観直して探してみるのもおすすめだ。 「発表!キャストと見る進撃の世界ランキング【前編】」では、事前に行ったアンケート結果をもとに、「もう一度見たいシーン」や「感動したシーン」を発表。該当シーンが流されると、梶が「それまでの声優人生では経験したことがなかった気持ちになった」とコメントするなど、キャストたちが当時の心情を吐露し、しんみりした雰囲気に。しかし「【後編】」では、「笑ったシーン」や「どの巨人になりたい?」「友達になりたいキャラ」などの楽しい話題で、それぞれが自分の答えを披露しつつ、明るく楽しいトークが繰り広げられた。さらに、Season2からFinal Season Part2中盤まで出番がなかった嶋村が、どうアニに向き合い演じてきたかを語るなど、まさに本イベントでしか聞けない貴重な話も収録されているので、ぜひアーカイブでじっくり聴いてほしい。 ■監督に作曲家、原作編集者も登場!作品作りの裏側が明かされる 「制作の裏側に迫る!」と題されたスタッフ対談には、Season1~3の監督を務めた荒木哲郎と作曲家の澤野弘之が参加したものが1本、Season4~Final Seasonを担当した林祐一郎監督と講談社の原作編集者、川窪慎太郎による対談が前後編で2本と、合計3本立て。 荒木と澤野による「監督×作曲家スペシャル対談 TVアニメ『進撃の巨人』のはじまりを語る」では、劇伴の作り方を通しての作品へのアプローチ方法が語られている。荒木は「音楽は詳しくないから、たぶん打ち合わせのなかで音楽の話はしていないんですね。『こういうキャラクターが出てきて、クライマックスではだいたいこんな戦いが多いと思います』という情報を出しているだけで、じゃあ音楽お願いしていいですか?」という打ち合わせだったとコメント。すると澤野は「打ち合わせで重要なワードを言ってくれたので、それをヒントにして作った」と受けており、2人のプロ意識の高さを垣間見ることができる。 担当したSeasonを振り返りながら「うまくいったシーン」がいくつかピックアップされ、どんな意図で映像が作られていたのかも明らかに。荒木と澤野が共に北野武映画にインスピレーションを得ていたこともわかり、ファンにとってうれしい裏話が満載の30分だった。 そして漫画とアニメ、それぞれのトップクリエイターとも言える林監督と原作編集者の川窪による「TVアニメ『進撃の巨人』の完結を語る」前後編では、「きちんと話をするのは初めてかもしれない」としながらも、互いにクリエイターとしてのこだわりについて語り合う、内容の濃いトークを展開。「漫画家さんから受け取った原稿を読んでいると、その奥にある漫画家の考えやどんな気持ちだったのかが入ってくるものがありますよね。正解かどうかわからないけれど、作家を知る作業がある」と話す川窪に、「僕もそこまで踏み込まないと作品作りができない」と林監督も同意。作品を通して原作者の諫山創が描こうとしたものをどう受け取って解釈し、映像化したかを、たっぷりと聞かせてくれる番組となっている。 このほか、「オープニングパーティー」のなかでもファンの質問に答える形で制作裏話が披露され、船内にいる制作スタッフのアバター(非インタラクティブ)と乾杯すると読める「スタッフメッセージ」もあるので要チェック。スタッフへのメッセージも送ることができるので、感想を書いて気持ちを伝えてみよう。 現在、アーカイブ期間中の「TVアニメ『進撃の巨人』放送完結記念ワールドワイド・アフターパーティー」には、続々と大勢のファンがアクセスしている。世界各国のファンとの交流もできる絶好の機会なので、特別番組でキャスト&スタッフたちの作品への想いに浸りながら、写真機能で記念ショットを撮ったりチャット機能で話し合ったりと、みんなでテレビアニメ「進撃の巨人」完結の余韻を楽しもう。 取材・文/ナカムラミナコ