赤字続きの三セク・肥薩おれんじ鉄道、法定協議会を年度内設置へ 鹿児島、熊本両県や沿線7市町など
鹿児島県は4日、肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)の経営安定化を図るため、国の「社会資本整備総合交付金」活用に向けた法定協議会を2024年度内に設置すると明らかにした。沿線自治体や事業者が持続可能な運営策を協議し、地域公共交通計画を策定する。国が関与して存廃を議論する「再構築協議会」とは別の枠組み。 【写真】〈関連〉肥薩おれんじ鉄道の駅名とルートを確認する
協議会設置に関わる経費の一部91万円を、県議会9月定例会に提案する補正予算案に盛り込んだ。 協議会は同鉄道や熊本、鹿児島両県、沿線7市町、有識者、沿線住民などで構成する。交付金を受けるには、地域公共交通計画を作り、国土交通省から事業実施計画の認定を受ける必要がある。県交通政策課によると、本年度中の計画策定を目指す。 県は法定協議会設置の前段階として、事業者や沿線自治体が参加する「未来戦略検討委員会」を設置し、これまでに2回開催。今後、沿線自治体に駅の利便性向上のアイデアなどを聞き取り、次回会合で話し合う。経営改善の方向性を取りまとめ、協議会での議論に生かす。 同鉄道を巡っては、県市町村振興協会の基金を活用した支援が22年度で期限切れとなり、県と沿線3市が全県的支援の継続を要請。23年度から5年間の期限付きで最大7億1900万円を助成する枠組みを全43市町村が容認した。
南日本新聞 | 鹿児島
【関連記事】
- 本当にこれが最後ですよ…経営難続く三セク「おれんじ鉄道」への財政支援、離島も入っている市町村振興協会が「苦渋の決断」で決定
- 赤字続くおれんじ鉄道 10月から40~140円値上げ 運賃改定は消費税率分引き上げ除き開業後初
- 大阪・金剛バスの撤退が問う地方交通の未来 地元自治体は悔やむ「もっと連携を密にしていれば…」 年間負担は4市町村で3.5億円
- 赤字続くローカル線、どうする地方の公共の足 JRと県、沿線3市が新たなテーブルへ 存廃を前提としない…指宿枕崎線、任意協議会が発足
- 相次ぐバスの減便・廃止…通学補助「公平性の面から難しい」から一転、県が定期代補助へ 「想定外の影響あった」 鹿児島県24年度当初予算案に1255万円計上