ジムニーがルノーサンクに大変身? 元カーデザイナーがスゴイ! と思わず唸ったカスタムカー4選【東京オートサロン2024】
幕張メッセの“カオス”な雰囲気の中で、キラリと光るカスタムカーを見つけた! 2024年の東京オートサロンで、元カーデザイナーの渕野健太郎が注目したカスタムカーとは? 【画像】スズキのジムニーがルノーやランチア大変身?
カスタムカーの目的はふたつある!?
今年もオートサロンへ行ってきました! 思えば会社員時代から仕事でほぼ毎年行っている気がしますね。私がデザインしたコンセプトカーを、さらにカスタムして出した年もありました。 オートサロンは「カスタムカー」の祭典ということで、会場は何でもありの“カオス”な雰囲気なのですが、ここでワタシ的にカスタムの目的を、大きく2つに分けてみます。 それは、クルマの「価値を高める」カスタムと、クルマの「価値を変える」カスタムです。 ほとんどのカスタムカーは、「価値を高める」カスタムだと思います。これは表現しやすいんですよね。例えばスポーツカーなら、車高を下げ、トレッドを広げ、エアロパーツを付ければ「走りの価値」をさらに高める事が出来ます。比較的想像しやすいのではないのでしょうか? もう一方の「価値を変える」カスタムは、よりクリエイティビティが必要になります。例えば、本格的SUVの「ゴツい」イメージのクルマを「かわいく」見せる、というようなものです。これにより、そのクルマがもともと提供している「悪路も走破性が高そうな価値」を「親しみがあり、街乗りに楽しめそうな価値」に変えることができます。 ということで、この2方向で良いと思ったクルマを、メーカーの出展車を中心にピックアップしてみました。
「価値を高める」カスタムカー① 三菱 トライトン スノーシュレッダーコンセプト
三菱自動車のメッセージは最近特に明快で良いですね!今回は「さあ、行こう。縦横無尽な冒険へ。」をテーマとして、ハードなイメージのSUVを並べていました。思えば戦後すぐからジープのライセンス生産を行い、パジェロでパリダカを戦ってきた歴史がある本格的SUVの老舗ですよね。 ベース車のトライトンはアドベンチャー感が強いデザインで、現代のトレンドにマッチしたピックアップだと思います。スタンスも良いですね。 そのトライトンを、よりハードなイメージに仕立てていたのが、この「スノーシュレッダーコンセプト」です。パッと見もカッコいいのですが、個人的に一番惹かれたのはボディ全体に泥汚れを表現していたラッピング(塗装かもしれませんが)です。このラッピングが絶妙に薄汚れた感じを出していて、またやり過ぎない感じも良かったですね。さらに造形で見せたいショルダーのピーク部は汚していなく、造形のメリハリが強調されているのも芸が細かいと思いました。