「ゴムまり娘」の第2章 村上茉愛さん、強化トップに―体操女子
現役引退から、わずか3年。 体操女子で2021年東京五輪種目別ゆか銅メダリストの村上茉愛さん(28)が、日本体操協会の女子強化本部長に就任した。先ごろ報道陣に公開された合宿では、年上ばかりのコーチ陣の中でも堂々とし、「全体として意識を高め合える合宿になっている」と満足そうだった。滑り出しは順調なようだ。 代表選手を率いるイメージは、現役当時から持っていた。東京五輪後に引退すると早速、母校の日体大でトップレベルの選手を指導。国際体操連盟のコーチ向け教育プログラムも受講した。今夏のパリ五輪後、日本協会が強化本部長を公募した際に申し込み、強化戦略や人間性、熱意が高く評価された。28歳での就任は史上最年少だ。 村上さんには団体強化への思いがある。日本女子は、銅メダルだった1964年東京大会を最後に五輪で団体の表彰台に立てていない。「メダルが目の前にある時、選手同士がどう声を掛け合えばいいか、まだ分かっていないと思う」。そう分析し、自立心を育むような練習メニューを考えている。 天性の跳躍力で活躍した現役時代は、「ゴムまり娘」の異名を取った村上さん。「メダルの経験を(次世代に)引き継ぎ、選手をサポートするのが私の役割」。28年ロサンゼルス五輪での団体メダルを目指し、体操人生の第2章を歩み始めた。