危険盛り土、神戸市の停止命令に違反疑い 砕石会社社長の男逮捕 台風時に「避難指示」も
神戸市北区の採石場で危険な盛り土が放置されている問題で、事業の停止を求める市の措置命令に従わなかったとして、兵庫県警生活経済課と有馬署は26日、市土砂条例違反の疑いで、砕石会社「北神砕石」社長の男(65)=同市=を逮捕した。同条例での摘発は2020年の施行後初めて。 【写真】斜面のようになった盛り土 逮捕容疑は23年9月11日から10月12日にかけて、同市北区有野町有野の採石場で、土砂の一時堆積事業の停止を命じられているにもかかわらず、22回にわたり土砂を受け入れて措置命令に違反した疑い。調べに容疑を認めているという。 同課によると、市は23年7月と同8月、条例に基づいて同社に事業の停止を命じたが、従わなかった。 市の調査では、許可された30万立方メートルを超える約48万立方メートルの盛り土を確認。大雨の際に約2・3万立方メートルの土砂が河川に流れ込み、民家へ到達するシミュレーションも出ていた。 実際、昨年8月の台風通過時には土砂災害の恐れがあるとして、近隣住民に「避難指示」が発令された。市はこれまで、一部土砂の撤去や防護柵の設置などの行政代執行を2度にわたり着手していた。