道上洋三アナの心に残る言葉「遠くの親せきより近くのラジオやねえ」 ── 阪神淡路大震災から20年
震災から20年、今だから言えること
おはパソでは、昨年末から「阪神淡路大震災から20年 今だから言えること・・・」というテーマでリスナーから便りを募り、5日から16日までそれを紹介。あれから20年、家族や家、仕事を失った人からのメッセージもあった。 中にはこのようなものもあった。60代の元保健師だった女性が、訪問先の当時80代の男性のことを綴ったものだった。男性は震災で妻と娘を亡くしたが「実はこれで妻と娘を亡くすのは2度目」と話したという。男性は女性に「1度目は第2次世界大戦中の空襲で当時1歳の娘と妻を亡くした。50歳の時に再婚。嫁入り前で準備をしていた30歳の娘を震災で失ったという。1人の食事がさみしい。けど死んだものを弔えるのはわしだけやから」と話したという。このように「今だから言えること」は多くのリスナーから便りが届き反響を呼んだ。 20年で街には「ハコモノ」が建ち、一見は復興したかのように見える。しかし、道上アナは、借金を背負った商店などが「返済などどうすんねん?」と悩む光景もみてきている。「こうしたことは目に見えないんで、この20年も早く感じてしまってるのかもしれない」。だが、心には常に「阪神淡路大震災を風化させてはならない」。そんな思いを改めて誓い、きょうも放送に臨む。 ABC朝日放送ラジオでは、時の経過と共に震災の記憶が薄れていき、震災を経験していない人は経験した人の、その思いや教訓をどう受け継いでいくのか? をテーマに「阪神・淡路大震災 21年目の明日へ」を17日午後5時半から同6時25分まで放送する。パーソナリティは、3歳の時に宝塚市で被災した同局新人のヒロド歩美アナウンサー。直接的な震災被害を知らないヒロドアナの視線を通し、震災20年の節目に命の尊さと人の絆を次世代へ繋ぐ新たな広がりを伝えていく。 ■道上洋三(どうじょう・ようぞう)1943年3月10日山口県生まれ。1965年にABC朝日放送入社。翌年からは同局の深夜番組「ABCヤングリクエスト」初代パーソナリティを務めた。1977年から「おはようパーソナリティ道上洋三です」のパーソナリティを務め、現在も放送中。2003年から2007年まで、同局取締役を務めた。昨年発売した「ふたつめの誕生日 おはようパーソナリティ道上洋三の『なんで?』」で、自身の誕生日が1942年9月だったことを明かし、話題となった。