年末年始の観光客、世界遺産の南砺・相倉47%増 菅沼は倍増、訪日客多く
12月に世界遺産登録30周年を迎える南砺市の五箇山合掌造り集落を、年末年始(12月26日~1月3日)に訪れた観光客が、前年同時期に比べて大幅に増えた。相倉合掌造り集落は47%増の3765人、菅沼集落は約2倍の2688人だった。インバウンド(訪日客)の増加に加え、オーバーツーリズムで白川郷(岐阜県)から一定数流れてきたことが要因とみられる。田中幹夫市長が6日の記者会見で発表した。 相倉集落の年末年始の入り込み数は、2016年度以降で最多となり、コロナ禍前より多かった。保存財団によると、円安の影響で海外からの観光客が増えたほか、白川郷付近の渋滞でルートを変更して立ち寄ったケースも目立ったという。 中島仁司事務局長は、最大9日間の長い休みや積雪が少なく道路状態が良かったことも影響したとし「年末年始にこれだけの混雑は初めての経験。駐車場に入りきれず待ってもらう時間帯もあった」と振り返る。 菅沼集落はコロナ禍前の最大3千人台には届かなかったが、前年同期の1392人から倍増した。中島慎一区長は「特に年末はインバウンドが多く、コロナ禍前並みの忙しさだった」と話す。白川郷の渋滞を避けて訪れた人からは「五箇山に来て良かった」「日本の原風景を見られた」という声が聞かれたという。