ネットフリックス『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』はあの頃を思い出させてくれる痛快作!
『トップガン』や『ブレードランナー』、『ゴーストバスターズ』……。80年代に一大ブームを作った映画が、オリジナルキャストで復活するのは、ここ数年のブーム。その流れに乗って、また一人、人気キャラクターが復活した。それもかなり鮮やかなカムバック! 『ビバリーヒルズ・コップ』は、1984年に第1作が公開。エディ・マーフィの底抜けに明るいキャラが刑事役にハマって大ヒットし、1994年の第3作までシリーズが続いた。つまり今回は第1作から40年ぶり。そして前回の作品から30年ぶりという、かなり長いインターバルでの復活だ。さすがにエディもシブいベテラン刑事に変貌しているかと思いきや……30年前のイメージとほぼ同じ! エディ・マーフィは現在63歳なのだが、演じるアクセル・フォーリーの、おなじみの調子の良さ、マシンガントーク、さらに軽やかな肉体の動きを完璧にこなし、観ているこちらがタイムマシンで過去に戻ったような錯覚さえおぼえてしまう。デトロイト市警のアクセルが、ビバリーヒルズにやって来て難事件を捜査する展開はシリーズのお約束どおり。ただし今回は、アクセルの娘の命が危険にさらされる、というきっかけだ。 シリーズの最初の2作を手がけたジェリー・ブラッカイマーが製作に戻ったせいか、エンタメ的なノリが全開。オープニングでいきなり、あの『ヒート・イズ・オン』が流れ、オリジナルの楽しさが一気に甦る。カーチェイスや銃撃がポイントで派手に演出され、アクセルがベテラン刑事ならではの裏テクも駆使。笑えるネタ、父と娘の葛藤でによるちょっぴりシリアスな展開など、バランス良く盛り込んだ構成に、ハリウッド映画の王道を感じられる。アクセルがビバリーヒルズに戻ってくるシーンで思い切りテンションが上がるように、ロサンゼルスのロケがめちゃくちゃ効果的なのも、この最新作の特徴。このところの円安で海外旅行のハードルがやや高くなっているが、もしドジャースの試合観戦などでLA行きを考えていたら、本作が背中を押してくれるかも。それくらいLAがまぶしい一作だ。 『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』配信中 原案・脚本/ウィル・ビール 製作/ジェリー・ブラッカイマー 製作・出演/エディ・マーフィ 監督/マーク・モロイ 出演/ジョセフ・ゴードン=レヴィット、テイラー・ペイジ、ジャッジ・ラインホルト、ジョン・アシュトン、ケヴィン・ベーコン 配信/ネットフリックス 2024年/アメリカ/視聴時間117分
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito