震災で大会中止の石川県から学童野球チーム 福知山で交流試合
京都府福知山市北本町一区の昭和小学校グラウンドで5日、市内外の学童野球3チームが練習試合をした。市内の「昭和ガッツ」、上豊ボアーズと兵庫県朝来市の合同チーム、それに石川県津幡町の「津幡どんぐり」が野球を通じて交流を深めた。 津幡町は富山県との県境に位置して、金沢市から車で約20分のベッドタウン。津幡どんぐりは、毎年この時期に能登半島で開かれていた大会に参加していたが、正月に発生した地震の影響で今年は中止に。同県全体でも試合数が減っていることもあり、県外の対戦相手を探していた。そこで同チームのコーチを務める西島治人さんが、高校時代に野球部の同期だった福知山市の西山恭平さんに相談。西山さんが関係者を知る昭和ガッツを紹介して練習試合が実現した。 両チームに加え、上豊ボアーズと兵庫県朝来市の「但馬サムライリトルシニア」の合同チームが参加。3チームによる総当たり戦をした。 津幡どんぐりとの対戦は、互いに相手の情報は一切なし。各選手が自分の実力を出し切ろうと熱戦を繰り広げ、試合終了後は選手同士、健闘をたたえ合った。 津幡どんぐりの吉本学監督(49)は「試合に快く応じていただき感謝しています。元日は津幡町も震度5強の揺れで道路が割れるなど被害が出て、ショックを受けていた選手もいました。福知山のチームは活気があり、対戦を通じて我々も元気を分けてもらえました」と話していた。 試合の合間には、弁当を食べながら野球や自分たちが住む地域などについて選手同士で話す時間もあり、終了後には全員で仲良く記念撮影をした。津幡どんぐりの選手たちがバスで出発する際にはみんなで手を振って見送り、「またね」と再会を約束し合った。 昭和ガッツの足垣亮介代表(42)は「普段対戦できないチームと試合ができ、良い経験になったと思います。野球をしていたからこそつながった縁を、子どもたちには大切にしてもらいたい」と話していた。