南太平洋のソロモン新首相にマネレ前外相-親中国路線は継続の方向
(ブルームバーグ): 南太平洋ソロモン諸島の議会は2日、新首相にマネレ前外務・貿易相を選出した。親中国路線だったソガバレ前首相の退任後も、ソロモンに対する中国の影響力が強まることになる。
ソロモン議会(定数50)は首都ホニアラで無記名投票を行い、マネレ氏を新首相に選んだ。先月実施された総選挙で与党が過半数に届かず、ソガバレ氏は続投を断念していた。
マネレ氏の首相選出はソロモンの外交政策に継続性をもたらし、中国では好意的に受け止められそうだ。野党候補のウェール氏、あるいはケニロレア氏では関係が後退する可能性もあった。
だが、オーストラリアの元外交官で、シンクタンクのローウィー研究所リサーチフェローを務めるミハイ・ソラ氏は、マネレ氏はソロモン外相を5年近く務めたものの、前任者の親中国政策を厳密に踏襲する公算は小さいとの見方を示す。
ソラ氏は「ソガバレ氏の指導力には個人的な要素があり、明らかに豪州などに反感を持っていた。米国がそうした関係を再構築するのは難しかった」と指摘。「さまざまなパートナーからの協力や支援の提案を受け入れるようになるという点ではマネレ氏は期待できる」と述べた。
ソガバレ前政権は2019年に台湾と断交し、中国と国交を樹立。22年には中国と安全保障協定を締結したと発表し、米国や豪州が警戒感を強めていた。
原題:Solomon Islands Names Ex-FM Manele Leader in Win for China (1)(抜粋)
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Ben Westcott