中川晃教「お笑いというものに対してリスペクトがある」コメディで重要な人を笑わせるための“緻密さ”
中川晃教は2001年、自身が作詞作曲をした「I WILL GET YOUR KISS」でシンガーソングライターとしてデビューし、同年の日本有線大賞では新人賞を獲得した。また’02年に『モーツァルト!』でミュージカルに初主演すると、文化庁芸術祭賞・演劇部門新人賞や読売演劇大賞・優秀男優賞など様々な賞で受賞を重ね、その後も数々のミュージカル作品に出演し、トップランナーとなった。彼にとって、その生き方が影響を与えることとなった変化「THE CHANGE」とは、いったいなんだったのだろうか。【第3回/全5回】 ■【画像】眉なし・長髪が美しい!中川晃教さんが演じる「音楽の悪魔」のビジュアル■ 中川さんは’23年7月に開催された公演『ミュージカルは最強です!は~い!』に出演。そこでなんと、コントに挑戦した。この公演は、ミュージカル作品で活躍する俳優とお笑い芸人が共に出演し、本格的なコントやトーク、コンサートを行うもので’24年の7月にも開催が決定している。 前回の公演では、中川さんのほか、LE VELVETS(ル・ヴェルヴェッツ)、相葉裕樹さん、森崎ウィンさん、小南満佑子さんといったミュージカルで活躍している俳優のほか、コントゲストとしてお笑いトリオのジャングルポケットが参加し、ステージを盛り上げた。 このステージで披露したコントは、中川さんにとってどんな経験になったのだろうか 「個人的にコントだけでなく、漫才などに対してもそうなんですが、お笑いというものに対してリスペクトがあるんです。先日も、明治座で上演していた「音楽劇『浅草キッド』」を観に行かせていただいたんですが、なんというか、“生き方”というものについて考えさせられました。 僕たちもステージに立つ時に“命がけで”とか“体を張って”という言葉を使うんですが、そこの部分がすごく共通するなと思ったんですよね」
「お笑い」と「ミュージカル」に共通すること
お笑いに対する深い敬意をそう語った中川さん。ジャングルポケットのメンバーと披露したコントはどれも爆笑必至の出来で、お笑いファンも驚くほどの仕上がりを見せていたが、ミュージカルとお笑いには共通点があると、中川さんは言う。 「“人を笑わせる”というわかりやすい命題に対しても、その笑わせ方が時代ごとに色々と違ってくるんだと思います。 でもそんな中で、お笑いを作っている方たちにとって“普遍的なテーマ”となるものがきっとあるんじゃないかと思いますし、私たちもやっぱり“普遍的なテーマ”というものの中で、お芝居をしたり歌を歌ったりしているので、そういう部分でミュージカルとお笑いに通ずるものが僕の中で見出すことができたんですよね」 時代によって価値観が変化していくなか、お笑い芸人たちが“それでも笑えるもの”を追求していくように、ミュージカルもまた“時代を超えて感動できるもの”を披露していかなければならない。中川さんの強い決心がにじみ出る言葉だ。 そんな中川さんだが、初めてのコントに挑戦することに対して、不安などはなかったのだろうか? 「何ら不安になることなく挑戦できました。というのもご一緒したジャングルポケットさんのコントが、かなりお芝居の要素が強いもので、僕にはすごくなじみやすいものだったんですよね。 ただ、逆にしっかりと作り込まれている分段取りも多く、稽古も本気でしましたので、本番一発勝負の生コントを披露することはすごく緊張感がありました」 数々の大舞台をこなしてきた中川さんをして“緊張した”と言わしめたコントへの挑戦は大成功を収めた。そして、今年もまたステージで中川さんのコントを楽しめることとなった。今回、ゲストに城田優さん、唯月ふうかさんを迎えることとなったが、中川さんが楽しみにしていることはなんなのだろうか? 「コントとミュージカルが巻き起こすステージは、想像を越えた面白さがあったり、普段味わえないものがたくさん詰まっていそうですよね。そんななかで、城田優さんはバラエティーでもたくさんお見かけします。ミュージカルのフィールドを越えて活躍されていて、唯一無二の存在だと思っています。 唯月ふうかさんとは近年ご一緒する機会をいただいていますが、新しいことへも果敢にチャレンジされていて、その姿勢を見習いたいなと思わせてくれます。新しい扉を、出演される皆さんと一緒に、僕も開けたらいいなと思います」