熱海のホテルで贅沢スパ&アフタヌーンティー。オーシャンビューの絶景湯に揺蕩う
豊かな風土に彩られた日本には、独自の「地方カルチャー」が存在する。そんな“ローカルトレジャー”を、クリエイティブ・ディレクターの樺澤貴子が探す本連載。相模湾を望む起伏に富んだ独特の景勝に惹かれ、多くの文人墨客が別荘を構えた熱海。今回ご案内するのは、サンビーチに面した新たな海辺のホテル 絶景と露天風呂。熱海のホテルステイ(写真)
《STAY》「熱海パールスターホテル」 オーシャンビューの絶景湯に揺蕩う
ご紹介するホテルは、熱海のメイン海岸とされるサンビーチ沿いに建つ。この地で真珠のような輝きを放つ、新たなランドマークとして2022年9月に誕生した「熱海パールスターホテル」である。宿泊の利便性と洗練されたホスピタリティはもちろんだが、今回は温泉施設の日帰り利用とスパトリートメント、アフタヌーンティーがセットになった1日2組限定のプランを案内。熱海滞在の仕上げに贅沢な温泉時間を堪能したい。
まずは旅の疲れをスパトリートメントで癒したい。ひのき白檀、ゆずみかん、さくらゆず、そして熱海限定のだいだいのオリジナル精油から、好みの1本をセレクトしたオイルマッサージが主体となる。45分とコンパクトな時間ではあるが、経験豊富なセラピストがその日、その人のコンディションに合わせた手技をカスタマイズしてくれる。
体がほぐれたところで、向かうは自家源泉を使った最上階の大浴場。天空の船をイメージした全長12mのインフィニティバスに身を委ねると、浴槽を満たす湯があたかも海に流れ落ちるよう。内風呂は、炭酸水と水素水の2種類があり、スチームサウナとドライサウナまで楽しめ、心ゆくまで“整う”ことができる。
心身を存分にデトックスした後は、甘い記憶を宿したい。1階のラウンジでふるまわれるアフタヌーンティーでは、土地のフルーツを主役に据えた瑞々しいデザートがプレートを彩る。訪れた頃は8月の終わりということもあり、山梨の桃をソルベや焼き菓子に仕立てたピーチプレートが上段を飾り、中段では三島のマンゴーが瑞々しいデザートへ姿を変えていた。さらに、下段には伝統的なアフタヌーンティーのスタイルに倣い、全粒粉のスコーンやサンドイッチ、コーンスープが品よく並べられていた。細やかに行き届いたサービスも心地よく、次に訪れる際は日帰り利用ではなく「ここに泊まってみよう」と、湯上がりスイーツに満たされた脳に刻まれた。
熱海パールスターホテル 住所:静岡県熱海市東海岸町6-45 電話:0557-48-6555 BY TAKAKO KABASAWA 樺澤貴子(かばさわ・たかこ) クリエイティブディレクター。女性誌や書籍の執筆・編集を中心に、企業のコンセプトワークや、日本の手仕事を礎とした商品企画なども手掛ける。5年前にミラノの朝市で見つけた白シャツを今も愛用(写真)。旅先で美しいデザインや、美味しいモノを発見することに情熱を注ぐ。