デシャンボー「キャリア最高のバンカーショット」で4年ぶり2度目の全米制覇
◇米男子ゴルフツアー 全米オープン最終日(2024年6月16日 ノースカロライナ州 パインハースト・リゾート=7543ヤード、パー70) 首位から出たブライソン・デシャンボー(30=米国)がショットに苦しみながらも71にまとめ、通算6アンダーとし、追い上げてきたロリー・マキロイ(35=英国)を振り切って優勝した。全米オープンは20年大会以来、2度目の勝利となった。 ティーショットが荒れた1日だったが、最後の絶妙なバンカーショットで歓喜をたぐり寄せた。一時は2打差をつけられたマキロイが終盤に失速した。再び1打差のリードをつけて首位で迎えた最終18番。この日を象徴するようにティーショットを左に大きく曲げる。ボールは木の根が浮かびあがった付近に止まり、頭上には木の枝がせり出すピンチ。2打目はフェアウエーを突き抜けバンカーに転がり落ちた。しかし、ここからが圧巻だった。ピンまで残り54ヤードを1メートルにピタリ。パーを確実にセーブすると、拳を強く握り、雄叫びを上げた。 18番グリーンで行われた優勝スピーチでは「最後のバンカーショットは今までのキャリアの中で最高。完ぺきに打てた。この瞬間はキャリアのハイライトになる。今でも信じられない」と興奮気味に語った。この日は父の日。「私の父は数年前に亡くなったが、このトロフィーを彼にささげたい」と感慨深げに話した。 前回の優勝はコロナ下の20年で無観客で行われた。今回は最終18番ではUSAコールが沸き起こるなど、声援も後押しとなった。「まだ夢みたいな状態。ギャラリーのみなさんにもこのトロフィーを触ってほしい。みなさんの応援も優勝ができた理由の一つ」と話すと、またグリーンは歓声に包まれた。