半導体関連にはリスク取ってでも投資必要 早稲田大大学院の長内厚教授
半導体の製造装置や部材で日本に一日の長があるといっても、他国も虎視眈々と狙っている。やはり先に投資して多く作った方が優位性がある産業なので、ある程度リスクを取ってでも投資をしていくことが必要だ。半導体関連投資に力を入れる他国に対し、日本は官民で迎え撃つ準備をしないといけない。 米国による輸出規制を背景に、半導体の内製化を進める中国との競争が激化するという懸念もある。製造装置や部材について当面は日本に頼るところはあると思う。それによって日本メーカーの売上高の中国依存度が高まることをリスク要因とみることもできるが、対中輸出を減らすことが一概に日本の国益になるとはかぎらない。中国が内製化を進める口実をつくらせないために、日本製を使い続けてもらう方が長い目で見た場合に中国への牽制(けんせい)につながる。 最悪の場合、米中が何らかの形で折り合いをつけて日本だけはしごを外されるリスクもある。そのときに慌てないためにも半導体関連の投資を進めておくべきだ。