「和」をテーマ、わくわく門前町巡り 宮城・塩釜でカフェイベント
宮城県道「塩釜海道」の歩道を活用してにぎわいづくりを目指す実証実験「塩釜門前町カフェタイム」が、宮城県塩釜市中心部であった。塩釜神社の門前町として栄えた地域の誘客策を検討する目的で、昨年に続き2回目。 ■塩釜芸妓の踊りやおみくじガチャも 会場は、市役所壱番館庁舎付近から塩釜神社表坂下までの県道「塩釜海道」と御釜神社などが並ぶ市道「本町通り」。今年は「和」をテーマに和傘や竹椅子のオープンカフェスペースを2カ所に設置した。訪れた人たちが沿道の店で買った飲み物を飲みながら会話を楽しむ様子が見られた。 藩制時代に栄えた「塩釜芸妓(げいぎ)」の文化を伝えるグループ「千賀乃屋」による踊りの披露もあり、華やかな雰囲気を演出した。塩釜高の生徒がくじを手作りした「おみくじガチャ」も家族連れの人気を集めた。 訪れた塩釜市の無職松本洋子さん(71)は「塩釜神社に参拝して、そのまま車で帰る人が多い。こうした試みで街歩きしてくれる人が増えれば活気が出てくる」と期待を寄せた。 市が門前町エリアと位置付ける塩釜海道周辺は、新店舗が出店する一方で閉店や空き店舗も多く、門前町再生に向けて塩釜神社からの回遊促進が課題となっている。市は道路利用の規制を緩めて人を呼び込む国の「歩行者利便増進道路(ほこみち)」制度の活用も模索する。 実験は18、19の2日間実施した。住民や事業者がにぎわいと魅力のある門前町について考えるワークショップ(WS)「塩釜門前町ミーティング」で企画された。WSに参画する宮城大の学生が来場者へのアンケートを行い、市は結果を分析して今後の取り組みに生かす。 WSで進行役を務める宮城大事業構想学群の佐々木秀之准教授は「昨年は市の主導だったが、今年は市民が主体となって企画や運営ができた。今後も多くの市民を巻き込んで取り組みを継続し、にぎわい創出につなげたい」と話した。
河北新報