魚肉ソーセージ“再ブーム”に納得!悪魔的にうまい「お手軽ギョニソ料理」病みつきレシピ
魚肉ソーセージが売れている。SNSでも「ギョニソ」レシピはバズり、若者にも人気のようだ。「おじさんのジャンクフード」だったギョニソは、令和の今になってなぜ人気化しているのか。そのまま食べてもおいしいが、アレンジを加えて楽しむのもオツ。魚肉ソーセージの「悪魔のレシピ」をお届けしよう。(フリーライター 武藤弘樹) ● じわじわ来ている 魚肉ソーセージブームの背景 魚肉ソーセージが最近ブームになっている。「1000人あたりの販売金額」は過去5年で今年が最高となったという(日経POSより)。 魚肉ハム・ソーセージの生産量は1972年の18万トンをピークに年々減少し、2023年には約4分の1となる4.6万トンにまで落ち込んだ。 今の魚肉ソーセージブームが本流に乗れれば、生産量も今後上がっていくであろう。 テレビでは魚肉ソーセージに関する特集が組まれ、ネットでは魚肉ソーセージを使ったレシピがさかんに投稿されるようになった。興味深いのは、高校生を含む若年層も魚肉ソーセージを好んでいる点で、TikTokやInstagramなどのSNSでは魚肉ソーセージ(そちらの方面ではよく「ギョニソ」と呼ばれる)のレシピがよくバズっている。 魚肉ソーセージといえば、かつては「ジャンキーで垢抜けない、安い値段に見合った品質の、主におじさんが食べる物」といった、どこかダークサイドの食品然としたイメージがあったから、時代が変われば変わるものである。 なぜ今また魚肉ソーセージが注目されているのかには、確たる理由がある(解説記事はこれまでにも複数出ているため、ここでは筆者なりの感性でもって、ゆるくざっくばらんに触れておくにとどめる)。
● 「畜産ソーセージより100円安い」 家庭での圧倒的な優位性 ひとつは、値段の安さである。近年の物価高で消費者は節約志向を強め、畜肉ソーセージよりはおおむね100円ほど安い魚肉ソーセージが選ばれやすくなった。 その「100円安い」も、「1100円が1000円」くらいの変化ならまあ気にならない誤差かもしれないが、畜肉ソーセージの平均価格がだいたい300円前後なのに対して、魚肉ソーセージが200円前後である。 こちとらは日々「あっちのスーパーの卵が20円安い」などと呟きながら食料品店を渡り歩いて買い物をしている身なので、その価格帯での100円の差は、脳天を棍棒で殴られたかのごとき衝撃を伴って受け止められる。かくして魚肉ソーセージは、「日々のソーセージ」として購入の選択肢に俄然入ってくるようになったのであった。 蛇足だが、若年層に魚肉ソーセージが受けていることにも価格が関係していよう。自らの小遣いで買うのか、家族に願って買ってきてもらうのかは家庭によるだろうが、安い方が買いやすいし、「買ってきて」と頼みやすいことは間違いない。 ● 「おじさんのジャンクフード」は今は昔 圧倒的に健康的でお洒落 魚肉ソーセージが注目されている2つ目の理由は、「健康食品化」である。 日経新聞が作成した「魚肉ソーセージの売れ筋ランキング」(2024年4月の月間)という資料があるが、これを参考に見てみると、売れ筋上位15品のうち、「栄養機能食品」6品、「特定保健用食品」4品と、健康関連の商品が実に10品を占めているのである。 健康志向の魚肉ソーセージこそが売れ筋の本流といって差し支えなく、日本で初めて「心血管疾患に対する疾病リスク低減の特定保健用食品」として許可を受けた商品(マルハニチロ)なども出てきている。魚肉ソーセージ界のこの路線は、しばらく継続されるものと思われる。 魚肉ソーセージはまったくジャンキーなどではなく、むしろ「お洒落で体にいい食べ物」枠に入りつつあるのかもしれない。