悲願のJ1昇格を決めた横浜FC三浦カズは何を語ったか?「信じてもらえないのかもしれないが」
もっとも、自らがもつJリーグ最年長出場記録を52歳8ヶ月29日に更新した愛媛戦も、カズにとっては通過点となる。単年契約を結んできた横浜FCとの契約更新は「まだその話はしていないし、この場で自分からは言えない」としながら、視線はすでに来シーズンへと向けられている。 「J1へ昇格したことにはホッとしていますけど、現実がありますからね。メンバー外で試合に出られない状況が、選手にとっては一番辛い。僕の場合は勢いのある若手と勝負するだけでなく、当然外国人選手も補強するはずなので、チャンスが少ないなかでどのように自分をアピールできるか、ということを考えていかないと。出場機会が少ないとはいえ、2年間ゴールできていないので」 今後は自分自身を限界まで追い込むことで有名な、常夏の島グアムでの自主トレを例年通りに年内、そして年明けの2度にわたって予定している。その間の1月11日午前11時11分11秒に、愛着深い背番号にちなんだ契約更新が発表されるはずだ。 「イニエスタの股を抜きたいね。楽しみです。でも、本人には言わないでね」 J1の舞台で夢の対戦を果たす世界的なビッグネームたち、たとえばアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)を問われたカズは軽妙なジョークで、周囲を笑いの渦に巻き込むことも忘れなかった。13年ぶりにJ1へ戻ってくるカズの周囲に、早くも夢が生まれはじめている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)