＜那須川天心公開練習＞2ラウンドのスパーリングをこなす那須川天心（撮影・篠原岳夫）

　◇プロボクシング54.4キロ契約ノンタイトル戦　那須川天心（帝拳）＜10回戦＞ジョナサン・ロドリゲス（米国）（2024年7月20日　東京・両国国技館） 【写真】＜那須川天心公開練習＞粟生トレーナー相手にミット打ちをする那須川（右） 　プロボクシング4戦目で初の10回戦に挑むWBA世界バンタム級7位の那須川天心（25＝帝拳、3勝1KO）が4日、都内の所属ジムで練習を公開した。20日のトリプル世界戦の興行で、WBA同級4位ジョナサン・ロドリゲス（25＝米国、17勝7KO2敗1分け）との世界ランカー対決。この日はWBO同級3位、IBF同級4位のクリスチャン・メディナ（24＝メキシコ）と2ラウンドのスパーリングを行い、1回には中間距離から体重の乗ったストレートを顔面へ叩き込んだほか、接近戦で右ボディーを打ち込むなど力強くなったパンチを披露した。 　2人招へいしたメキシコ人のスパーリングパートナーのうち、ロドリゲスに近いタイプとされるメディナとの手合わせでは、強烈なプレスをいなすステップも披露。「以前よりよくなった」と報道陣に指摘され、「そう言われると安心する」と笑みを浮かべた。世界ランカーと連日の手合わせで「毎日、頭を使う。安心できないスパーリングが続いている」と明かした上で、「感覚的にはだいぶよかった。いい時と悪い時を繰り返していて、自分でちゃんと引き戻せた。自分で戻せるって強いと思うんすよね」と手応えを口にした。 　一方で、「（粟生隆寛）トレーナーや（本田明彦）会長にも言われるんすけど、頭使うとだめっぽいすね。たぶんいい言い方で言ってくれていて、単刀直入に言うと”バカ”と言われている」と話して笑いを誘った。それでも「試合の時って考えないじゃないですか。だから試合の時に考えないでいいようにスパー中に考えたりする」とし、「脳の行動って面白くて、（考えると行動が）0・何秒絶対に遅れるんですよ、誰でも。0・2秒の展開が何個かあると、それだけで１秒。そうすると歯車が狂う時もある」と持論を展開。「今日なんかはすんなり流れにそってできた」と明かし、「こうやって、いろんな人に囲まれての公開練習は緊張したりするじゃないですか。俺、たぶん逆なんすよ。やってやんなきゃ、みんな見てるからと。だから毎回（スパーに）来てもらっていいですか？」と取材で注目されることを歓迎した。 　 　世界ランク入りし、タイトル戦も可能な10回戦とあり、今回は内容も結果も問われる試合となる。それでも「（キックボクシング時代から）こういう試合はずっとやってきたんで、昔から。2周目なんで。やることは違うけど、やってることは同じなんで慣れっこです」とプレッシャーはない。「逆に見てもらった方がパワーは増すし、どんどん言ってほしいし、ガヤってほしい。期待してもらって構わないです」と強気に締めくくった。