トランプ政権 “すね傷”人事 国防長官候補に性的暴行疑惑 司法長官候補は未成年買春疑惑
米主要メディアは15日、トランプ次期政権の国防長官候補のヘグセス氏が2017年に性的暴行容疑で捜査されていたと報じた。トランプ次期大統領が12日に指名したばかりだった。新政権の閣僚候補は過去の問題発言などから資質が疑問視される人物が多く、共和党内でも懸念の声が上がっている。 【写真】次期米大統領報道官への起用が発表されたキャロライン・レビット氏(AP) カリフォルニア州モントレー市のホテルで17年10月、ヘグセス氏から性的暴行を受けたとの訴えがあり、警察が捜査。ヘグセス氏は当時、現地で開かれた共和党の女性関連の会合に参加。被害に遭った女性の友人によると、被害者は後にヘグセス氏側と秘密を口外しない約束を取り交わし、警察は刑事訴追していない。 44歳のヘグセス氏は、保守系で大統領選期間中もトランプ氏寄りの報道を続けてきたFOXニュースの司会者。イラクなどに派遣された元軍人だが、政策立案の経験はなく、国防総省のトップとして不適格との指摘も出ていた。腕には白人至上主義と思われるタトゥーが刻まれて、差別的言動が多いという。 閣僚候補はこれまで、連邦捜査局(FBI)による身辺調査が行われてきた。ただトランプ氏が自身の疑惑を捜査するFBIを嫌っていることから、政権移行チームは民間調査会社を使い身辺調査が甘くなっているという。チームはヘグセス氏の性的暴行容疑を把握していなかった。 13日に司法長官に指名されたゲーツ下院議員も未成年女性の買春や薬物使用の疑惑を抱えている。選挙資金の私的流用などの疑惑もあり、下院の調査対象になっていた。14日に厚生長官と発表になったケネディ元大統領のおい、ロバート・ケネディ・ジュニア氏は新型コロナウイルスのワクチン懐疑派で、その発言が物議を醸している。 トランプ氏が力を入れる国境警備を管轄する国土安全保障長官、安全保障担当補佐官、国家情報長官、中央情報局(CIA)長官ら、ほぼ全てのポストで“親トランプ”が指名されている。専門性より忠誠心が優先されている。 閣僚候補は、来年1月のトランプ大統領就任後、上院での公聴会に出席し、上院議員の過半数による承認が必要。上院も共和党が過半数を上回っているが、公聴会の内容次第で反対に回る共和党議員が出る可能性もあり、危うい船出となりそうだ。 ≪大統領報道官に史上最年少27歳女性起用≫大統領報道官には、史上最年少で女性が抜てきされる。トランプ氏は15日、27歳のキャロライン・レビット氏の起用を発表。声明で「誰よりも優れた報道官になると自信を持っている。“米国を再び偉大に”というメッセージを国民に伝えてくれるだろう」と述べた。大統領報道官は、大統領とメディアをつなぐ要職。レビット氏は大統領選挙中は、トランプ陣営の報道担当を務めていた。ロイター通信によると、現在の最年少は、ニクソン政権で1969年に就任した29歳のロン・ジーグラー報道官。またCNNテレビによると、トランプ氏はFBI長官に元国防総省幹部カシュ・パテル氏の指名を検討。トランプ氏の熱烈な支持者で、FBIの解体を訴えている。