満票殿堂入りの偉業なるか 米記者が明かしたイチローだからこその“こだわり”「常に野球の歴史に鋭い感覚を持っていた」
日本が世界に誇るレジェンドは快挙をやってのけられるか。去る11月18日に発表された2025年の殿堂入り候補者に新たに加わったイチロー氏に対する投票に熱視線が注がれている。 【動画】イチローが激怒！ 韓国代表がWBCで見せた国旗立てシーン イチロー氏の2025年での米野球殿堂入りそのものは確実視されている。ゆえに焦点は満票でそれを果たせるか否か、となっている。ちなみに満票での栄冠獲得となれば、2019年にマリアーノ・リベラ氏（元ヤンキース）以来、史上2人目の出来事だ。 イチロー氏が19年に及んだメジャーキャリアで残したインパクトは今も色褪せない。2001年にマリナーズに鳴り物入りで移籍したイチロー氏は、当初にあった「通用しない」などの雑音を吹き飛ばして通算3089安打を記録。2004年には歴代史上最多となるシーズン262安打という金字塔も打ち立て、その名を歴史に残した。 もっとも、現時点で投票権を持つ記者たちの予測はシビアだ。MLB公式サイトのポール・カセラ記者は、BBWAA（全米野球記者協会）の記者による投票結果を予想する記事内で「イチローが満票で殿堂入りに値するか」というアンケートを専門家たちに実施。その結果、満票を「獲得できる」が25票、「獲得できない」が30票となった。 MLB公式の専門家たちは、「満票は獲得できない」という見方を強めた。一方で「イチローは間違いなく満票での殿堂入りに値するんだ」という声が尽きないのも事実だ。 米老舗経済誌『Forbes』で執筆するジャーナリストで、殿堂入りの投票権を持つバリー・M・ブルーム氏は「私のライター人生で取材をしてきた選手の中で最も謎めいた野球選手だった」と振り返った上で、「同時にイチローは史上最高の選手でもある。彼は今回の投票で殿堂入りは間違いなくする」と強調。満票の可能性を次のように論じてもいる。 「イチローは常に野球の歴史というものに対して鋭い感覚を持っていた。彼は何度も秘密裏に野球殿堂を訪れ、博物館の関係者に地下のアーカイブ施設に連れて行かれ、興味深い品々の展示を見学した。野球に対するこだわりと敬意が彼にはある。おそらく今回の（満票での）殿堂入りも予想外の番狂わせが起こらない限りは可能だ。彼は永遠の存在になる」 2025年1月21日に発表される米野球殿堂。果たして、球史に不滅の価値を刻んできたレジェンドは、栄光を手にできるだろうか。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
