オープンカフェに船着場……“公園”化する東京の河川
法律的には全く別物の「河川と公園」
国土交通省は1999(平成11)年頃から河川敷地占用許可準則の規制を段階的に緩和して、河川空間のオープン化を進めてきました。河川のオープン化は、河川の占用主体を地方自治体から協議会へと変えることにもなりました。 「協議会は自治体や町内会・自治会、商店街などで組織されています。協議会が占用することによって、地域の意見を反映しやすくなり、地域の実態に即した河川の使い方ができるようになったと言えます。規制が緩和されたことで、イベントの開催やレクリエーションなどが行なえるようになりました。今後、ますます地元住民や観光客に河川を積極的に利用してもらえるようになると思います」(同) 河川と公園は法律的には厳密に区分されているので、河川と公園はまったくの別物とされます。とはいえ、河川であろうが公園であろうが地域住民や観光客などの利用者にとって、それで何かが変わるわけではありません。 しかし、河川空間のオープン化によって、地域住民などが憩う“公園”のような機能を河川が有するようになりました。緑化が進められただけではなく、休憩できるベンチなどなども増えました。隅田川には、地元小中学生の作品が展示されるギャラリーもあります。こうしたオープン化によって、散歩やジョギングで河川を楽しむ人も増えています。これは、は河川の公園化ともいえる現象です。 隅田川から始まった東京の河川のオープン化は、ほかの川にも広がり、現在は日本橋川や渋谷川でも河川空間を魅力的にする取り組みが始まっています。 (小川裕夫=フリーランスライター)