WEST EXPRESS 銀河デザイナーの川西康之さん「丸三年かけデザインした」
WEST EXPRESS 銀河デザイナーの川西康之さん「丸三年かけデザインした」
JR西日本は25日、京都・大阪と出雲市(島根県)を結ぶ新たな長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」(ウエストエクスプレス銀河)の報道公開を同社の吹田総合車両所(大阪府吹田市)で行った。車両はかつての通勤列車を改造したもの。この車両のデザインを担当したデザイナー川西康之さん(44)に話を聞いてみた。 【写真特集】「WEST EXPRESS 銀河」公開 JR西日本
「時間をどうデザインするのか?」
同車両は、1号車がグリーン車で、座席は寝台に転換が可能。2号車、3号車には普通車指定席のほか、4号車は1両全体がフリースペースとなっている。6号車には施錠可能なグリーン個室「プレミアルーム」が5部屋ある。また、1両1両のカラーが違うのも大きな特徴の一つだ。 川西さんは、丸三年間をかけ、この列車のデザインを担当。京阪神から山陰、山陽へ今のダイヤでは12時間乗車することになるが「通常、新幹線で行けば3時間でいくところを、十何時間かけていくというのは長時間すごすことになる。その時間を『どうデザインするのか』というのが、今回のいちばん大きなテーマでありました」と振り返る。
時間のデザイン、それは...
しかし、その「時間のデザイン」とはどういうことだろうか。川西さんは「それは、お客様の視点であり、体の姿勢であり、それをいかにして変えるか、楽しんで頂けるか、停車時間も含めてですね、それが最大のテーマでありました」と語る。
鉄道に興味がない皆さんにぜひ知って頂きたい
この車両の特徴は、報道公開で見る限り、各車両ごとに色づかいなどが違うことがわかる。このことについて川西さんは「JR西日本からの宿題として『とにかく様々な座席がある』『様々な過ごし方がある』など、様々な選択肢があるというのを、鉄道に興味がない皆さんにぜひ知って頂きたいというのが、実はこの列車の最大のミッションでした」と語る。 この列車は、新車両ではなく、かつて新快速通勤列車として使われていた「国鉄117系電車」がベースとなっている。1号車から6号車まで、1980年製の40歳の古い車を改造しているが、1から6号車まで六種類以上「色々あるんだなあ」ということを感じてもらおうと、全部座席のカラーを変えているという。