10年生存率 わずか6.5%のすい臓がん 早期発見に挑む沖縄の医師たち
■いかに早期発見するか・・・ 10年生存率 わずか6.5%のすい臓がん 患者「こんにちは」 中頭病院 砂川宏樹医師「はい、お疲れ様です、どうぞ。いろいろ検査しましたけど、体調の方どうですか?大丈夫ですか?」 【写真を見る】10年生存率 わずか6.5%のすい臓がん 早期発見に挑む沖縄の医師たち 沖縄本島中部の中頭病院。夫とともに検査結果を聞きに来た女性は、1年ほど前に初期のすい臓がんと診断され、手術と抗がん剤治療を受けました。 中頭病院 砂川宏樹医師 「一応今回の検査異常ないので、また次回は3ヶ月後。一応、すい臓がんなので再発は心配していかないといけないけど、今回は異常なしということで」 笑い声に安堵の色がにじみます。 すい臓がんの治療を受けた女性 「ほっとしました。今日からやっとゆっくり眠れますね。皆さん、健康診断を受けて、悪かったらすぐ(再検査を)受診する。それをやってほしい」 すい臓がんの10年生存率は6.5%。自覚症状がないまま、がんが進行するため、手術ができる状態で見つかった人は、全体の3割しかいません。沈黙の臓器・すい臓の声なき声に耳を傾け、治療につなげようと奮闘するのが、中頭病院「膵がん早期発見プロジェクト」のメンバーです。陣頭指揮をとるのは森英輝医師。新人時代に感じた悔しさが、プロジェクト立ち上げの根底にありました。 ■"手遅れ"の診断発見の悔しさから始まった「早期発見プロジェクト」 中頭病院森英輝医師 「すい臓がんの患者さんを何人か担当させてもらって、ほとんどの人が手術ができない状態で、"診断発見"になってしまっていました。当時、超音波内視鏡検査は、働いた病院に置いてあったんですけど、私自身がそれに対する知識がなくて、カメラがあるんだけど、検査はできないと」 超音波内視鏡検査は、「胃カメラ」と同じで、口から挿入します。胃の後ろにあるすい臓を至近距離で詳しく観察することができ、すい臓の病気が疑われる場合に行われる検査法です。森医師は、すい臓がんの早期発見に大きな実績をあげている広島県のJA尾道総合病院で検査の腕を磨きました。