中国、1兆元の超長期特別国債の発行を17日に開始-まず30年債
(ブルームバーグ): 中国は1兆元(約21兆5000億円)相当の超長期特別国債の第一弾の発行を17日に開始する。経済を支えるための資金を調達する。
財政部の通達によれば、中央政府は17日に400億元の30年債を発行する計画。その後11月までの間に複数回に分けて特別国債を発行する。
3月に大まかな計画が発表された後、過去26年で4回目となる特別国債の発行がいつになるのか、市場では臆測が飛びかっていた。
習近平政権は住宅危機と消費マインドの低迷による圧力に直面している経済を支えるため、財政支援を強化している。中国がエコノミストの予測を上回る年間成長率目標(約5%)を達成するためにはインフラへの政府支出が鍵となる。特別国債発行はこの財源となり得る。
オーストラリア・ニュージーランド銀行のストラテジスト、シン・ジャオペン氏は、1兆元の特別国債は国内総生産(GDP)を最大1ポイント押し上げる可能性があると述べた。
「国債発行のタイミングは、米国が中国製品に対して課そうとしている保護主義的な関税の影響を相殺することを意図しているようだ」と同氏は指摘。改革について討議される重要会議、第20期中央委員会第3回総会(3中総会)が7月に予定されていることも挙げた。
政府は24日と6月14日からそれぞれ20年債と50年債の発行を開始する。特別国債の入札は11月の30年債まで続く。
ブルームバーグが事情に詳しい関係者を引用して13日先に報じたところによると、発行されるのは20年債が3000億元、30年債が6000億元、50年債が1000億元。
投資家は国債発行のニュースに好意的に反応し、本土株の指標のCSI300指数は下げを縮めほぼ横ばいで引けた。香港上場の本土企業から成るハンセン中国企業株(H株)指数は下げを消し0.6%上昇となった。
中国国債は与信減少のニュースがさらなる金融緩和への期待をあおり国債供給急増への懸念が払拭(ふっしょく)されたことから上昇。10年物利回りは2.29%まで低下した。